1日に発表された9月の米国製造業景況指数と、2日に発表された米国民間雇用者数が共に低調だったことを受け、世界経済に景気後退への不安感が広がったことで、2日のサンパウロ株式市場指数(Ibovespa)は前日比マイナス2・9%の10万1029ポイントで引けたと、3日付ブラジル各紙が報じた。
2日の米国市場は、ダウ・ジョーンズが1・86%、ナスダックが1・56%、各々、下落。ブラジル市場も、マイナス3・23%だった英国(ロンドン)市場や、マイナス3・12%だったフランス(パリ)市場に次ぐ大きな下げ幅を記録した。
ブラジルでは1日夜、上院で1回目の社会保障制度改革案の基本文書承認がなされ、2日には修正動議も処理されたが、株式指数上昇には結びつかなかった。これはむしろ、歳出削減規模を大きく縮小させる内容の修正動議が通ってしまった影響が大きいと、専門家たちは分析している。
投資顧問会社ヴィトレオ(本社サンパウロ市)の共同経営者ジョージ・ワッシュマン氏は、「ブラジル経済は、中期的視野で見れば決して悲観すべき状況ではない。ボルソナロ大統領の言動や政治スタイルに賛否の声こそあれ、彼は経済政策スタッフにまずまずの人選をし、スタッフもおおむね期待にこたえている。ただ、歳出削減規模が一晩で700億レアルも落ちたことは短期的視野で見ればマイナスではある」と語った。
なお、3日のブラジル市場は、午後5時の時点で前日比マイナス0・02%の10万1006ポイントで推移していた。