アマゾン日本人移民90周年を記念して、西部アマゾン日伯協会(錦戸健会長)は初の「ジャングル祭り」を先月20~22日に、アマゾナス州マナウス市のスタジオ5コンベンションセンターで開催した。アマゾン版日本祭りとも言える同祭には、初開催にも関わらず3日間で2万5千人が来場する盛況ぶりとなった。錦戸会長は「私たちの目標は、この祭りをマナウスの文化カレンダーに組み込むこと。2029年の100周年を視野に入れて続けることも考えている」と語った。
アマゾナス州初の大規模な日本文化祭りが開始された。主催者の一人であるTASAイベントの佐藤孝男社長によれば、来場者に日本文化を身近に感じてもらえるように、日本文化を体験できるコーナーや日本食店、太鼓やコロニア歌手のショーを企画した。
初日には、国民的漫画「トゥルマ・ダ・モニカ」の作者、マウリシオ・デ・ソウザ氏の講演会が行われ、会場には子どもから大人まで何千人ものファンが押しかけた。講演会の後には、サインや写真撮影を求める列ができ、ソウザ氏は「元々暖かいマナウスだが、今日はさらに暑く感じる」と会場の熱気について語った。
観客を最も感動させたステージの一つはわだん太鼓アンサンブルによるショーで、パリンチンス市の地元民族の文化をテーマにした祭典「ボイブンバ」に出演するグループ「マルシャ・デ・ゲラ」の演奏との共演が特に話題をさらった。日本とアマゾン文化の融合に観客も熱狂し、大いに盛り上がった。
マナウラ・ショッピングセンターでは、日本人移民の歴史からデカセギの生活までを描いた長編映画『Gaijin―Ama me como sou』(山崎千津薫監督、2005年)などの映画上映会も催された。上映には山崎監督も出席し、「私の映画に対するアマゾンの方々の関心を見てワクワクしました」と感想を述べた。
会場には、手巻き寿司、刺身、やきそば、天ぷら、春巻きなどを提供する日本食広場なども設置。さらにコスプレ大会も盛大に行われ、優勝者が華やかに表彰された。
錦戸会長は、「次世代を担う人たちのアイデアと地域社会全体の要望からこの祭りを企画した」と説明し、「今回だけでなく年間行事として続け、更に日系社会の存在をアピールできれば」との期待を語った。