ブラジル連邦議会が9日、来年度の連邦予算基本法(LDO)を承認し、法定最低賃金(最賃)は1040レアルとなったと9、10日付現地紙、サイトが報じた。
最賃は過去25年間、インフレ率+前々年(20年なら18年)の国内総生産(GDP)成長率で算出されてきた。
この方法を維持したまま、予算増の上限をインフレ率とするという原則を適用すると、どうしてもインフレ率以下の調整しか出来ない項目が出てくるのに、LDO承認に際しては、従来の方法を維持するよう求める修正動議が出ていた。
だが、9日の審議でこの修正動議が否決され、2020年からは最賃もインフレ率での調整のみとする事になった。それでも、年間予算法プロジェクト(PLOA)での1039レではなく、1040レを最賃とする事が承認された。
予算の94%は人件費や年金など、削減不能な義務的支出だ。この割合は今年度の93%より増えた。
また、光熱水費や外注事業費、旅券発行費、奨学金、公共投資などの裁量支出は892億レとなる。内訳は、公共投資194億レ、それ以外の削減可能な部分を残した支出698億レだという。
来年度予算案では、中央政府の基礎的収支の赤字が1241億レとなっている。中央政府の管轄には国庫、社会保障費、中銀の収支が含まれる。今年度予算案の中央政府の赤字額は1390億レとなっている。
また、9日に承認されたLDOでは、政府が公務員の給与を調整する事や連邦道路警察官の新規採用が認められている。政府が4月に送った原案では、公務員給与は軍兵士のみの調整の予定だったが、議会審議の中で対象が拡大された。