超大型の台風19号が12、13日(日本時間)に関東、東北を中心に、河川の氾濫、家屋への浸水、土砂崩れなど大被害を及ぼした。ブラジルでも日本に住む親戚、友人や母県の被害を心配する声が上がっている。被害が大きかった地域の県人会に、県庁とのやりとりの様子や母県を心配する心情を聞いてみた。
日本経済新聞サイトの14日午前7時31分配信記事によれば、「台風19号、死者56人に/7県の37河川が決壊」と報じられている。《各地の死者数は、福島18人▽神奈川12人▽宮城9人▽栃木4人▽群馬4人▽岩手2人▽埼玉2人▽茨城1人▽千葉1人▽長野2人▽静岡1人》。
在伯栃木県人会は今回の台風に際して、母県を心配している旨をメールで伝えた。坂本アウグスト県人会会長は「親戚も多く住んでいるから心配で、テレビや電話で情報収集を欠かさず行っている」という。会員からは、すでに「支援に乗り出すべきでは」との声も出ている。会長本人の親戚の無事は確認できたとのことだが、「中には、体は無事でも水害で仕事に影響があった方もいるのでは」と不安な様子。
千葉県は、9月中旬に同地で長期の停電などを引き起こした台風15号から復旧の最中で、ウェブ版のNHKニュースでは、住宅の壊れた屋根にかぶせていたブルーシートが飛んだという住民の声も。ブラジル千葉県人会の原島義弘会長は「先日の台風15号の直後に今回の台風。台風が過ぎ去った後も雨がやまないと聞いており、二次災害も心配」と憂慮する。
在伯埼玉県人会の吉田章則会長も、テレビなどで情報を得るようにしており、「母県から呼びかけがあれば県人会で支援に動きたい」とした。
ブラジル岩手県人会の千田曠暁(ちだひろあき)会長は「これから母県と連絡をとる。岩手も死者が出たが、他にも大きな被害を受けた県もあり、多くの方が大変苦労されていると思う」と心配している様子。
在伯長野県人会の高橋恒治さんによると、県人会から母県に連絡をとっているところ。「これから役員で会議を開き、母県とも話し合い、要望があれば支援も行いたい」と協力する姿勢を見せた。一方で「なんと言っていいか分からない。気の毒に思う」と心を痛めている様子だった。