【既報関連】15日に起こった社会自由党(PSL)のルシアノ・ビヴァール党首の家宅捜査は、同党内に強い波紋を投げかけている。16日付現地紙、サイトが報じている。
PSL下院リーダーのデレガード・ヴァウジール下議は同日中に記者会見を開き、ビヴァール氏への捜査を敢行した連邦警察を批判する声明を出した。
ヴァウジール下議はボルソナロ氏やその支持者の政治家が離党を進めたがっていることに触れ、「我々からは誰も追放したりしない。私たちはボルソナロ氏とも共にあるし、ビヴァール氏とも共にある」と話した。
だが、同下議は同時に「離党を希望する人たちとの交渉の席につくつもりはない」とし、さらに「党内部の処分を受ける人は出てくるだろう」とも語った。
また、同下議は同日、ボルソナロ大統領の出した省庁改編に関する暫定令(MP)886号の承認妨害を命じたが、途中で取りやめ、MPは承認された。
また、ビヴァール氏は、今回の捜査の背後にボルソナロ大統領が動いていた可能性があることへの報復として、長男フラヴィオ氏、三男エドゥアルド氏が各々務めているリオ州とサンパウロ州の支部長職解任を考えており、すでに後任候補も決めているともいわれている。
フラヴィオ、エドゥアルド両氏はすでに支部内で反発を招いている。フラヴィオ氏は、リオ州知事のウィルソン・ヴィッツェル氏がボルソナロ大統領を批判し、2022年の大統領選出馬に意欲を見せたことで、同党のリオ州議を同知事との連立から撤退させようとして、強い抵抗や反発を受けている。
また、サンパウロ州支部では、エドァウルド氏の元側近で現在は同州支部副支部長とサンパウロ州議会の同党リーダーを務めるジル・ジニス州議が、職員の給料の一部もしくは全額を同氏の口座に振り込ませていた疑惑や幽霊職員を雇っていた疑惑が発覚。エドゥアルド氏の責任を問う声が強まっている。