20日、ボリビアで大統領選を含む総選挙が実施される。注目は、2006年から現職を務めるエヴォ・モラエス氏が4選を果たせるかだ。18日付ブラジル国内紙・サイトが報じている。
エヴォ氏は2005、2009、2014年の3回の選挙に勝ち、今回も4選目を狙うが、その道のりは容易ではない。
一つは、エヴォ氏が16年2月に「大統領4選は可能か」との憲法改正を問う国民投票を行った際、「否定」が上回ったのにもかかわらず、「憲法解釈」を主張して強行に出馬したことにある。
もう一つは、エヴォ氏が現在、同国の人口の多くを占め、エヴォ氏の血筋でもある先住民の票で苦戦しているためだ。先住民票は、これまでの選挙でもエヴォ氏の大票田だったが、今回は様相が違っている。
その理由の一つは、エヴォ大統領が、国の主要産業であるコカの生産に関する方針を変えつつあるためだという。これまでのコカの主要産地はユンガスだったが、現在はチャパレでの生産比重を増やしているという。
さらにもう一つは、エヴォ氏が環境問題を軽視しはじめているためだという。ボリビアでは近年、焼畑が増えており、環境破壊が懸念されはじめている。
現時点での戦況も、これまでで最も苦戦することが予想されている。
同国の選挙では、一次投票での当選確定は、「50%以上の得票」、もしくは「40%以上得票し、2位に10%ポイント以上の差をつけた」場合のみだ。
同国の最近の世論調査を見ると、13日に発表されたイプソスという調査団体のものでは、エヴォ氏が40%で対抗馬の右派カルロス・メーザ氏が22%だが、別の調査機関の調査だと、36・2%対26・9%と差が縮まっている。
エヴォ氏は、過去3回の選挙では全て1次投票で勝利している。