西風会(せいふうかい)は10月に『西風』第10号を刊行した。節目を記念した特別号。
巻頭では、昨年9月に死去した田中慎二さんの一周忌をしのび、同氏の画文集『アンデスの風』から絵画とエッセイの一部を掲載。『西風』の装丁自体も田中氏が手掛けたもの。
現在、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会ビル内ブラジル日本移民史料館(R. São Joaquim, 381 – Liberdade)で田中氏の回顧展も開催中。12月8日まで。
本紙にも度々寄稿文を寄せる駒形秀雄さんは「世界の冠たる我が日本」と題し「日本人は他と比べ優秀か」という疑問について、日本人の民族や思想のルーツを参考に考える一文を投稿。
大門千夏さんは、近所で屋台を出して果物を販売する商人とのエピソードを紹介。言葉を交わすこともないが、商人を気に掛け観察する著者の様子が伺える。
本書では論文やエッセイ、小説、社会時評などの投稿も受付けており、掲載可否は同会が検討する。希望者には無料で配布する。発行部数は200部。入手希望、投稿の連絡は中島宏さん(メール=nakashima164@gmail.com)まで。
同会は会員が毎月1回集まり、様々なテーマについて議論する私的な研究会。体験談や調査内容をまとめ、年に2回、出版を行っている。