【既報関連】10月30日、リオ州検察局は、前日夜に全国を震撼させた「マリエレ・フランコ氏の殺害犯が事件数時間前にボルソナロ大統領の自宅を訪れていた」との報道に関し、「門番が虚偽の証言をしていた」と発表した。10月31日付現地紙が報じている。
10月29日のグローボ局の報道では、マリエレ元リオ市議が殺害された2018年3月14日の午後5時10分頃、殺害グループのひとりのエウシオ・ケイロス容疑者が、当時下院議員だったボルソナロ氏の住む58番を訪ね、ボルソナロ氏の許可を得て車で入場したとのことだった。ボルソナロ氏には2度連絡をとったという。
だが、検察局は、門番の資料に残っていた、同日のインターフォンの使用記録や録音された会話の内容から、ボルソナロ氏宅への連絡はなく、入場を許可したのは65番の住人で共犯者(殺害実行犯)のロニー・レッサ容疑者だったことを確認した。レッサ容疑者との会話は午後5時13分に行われ、車も直接65番に向かっていた。
リオ州検察局のシモーネ・シビリオ捜査官は、「門番の記憶が定かでなかったのか、あるいは嘘をついたのか。様々な可能性が考えられるが、門番は明らかにする必要がある」と会見で語った。
この件に関しては、セルジオ・モロ法相が「ボルソナロ氏の名前が出てきたことに関して捜査をするかの判断を連邦検察庁にゆだねる」としていたが、アウグスト・アラス検察庁長官によると、ボルソナロ氏に言及した調書は10月10日に最高裁に送られたが、検察庁も最高裁も、グローボ局の報道の前に同件をお蔵入りさせていたという。
ただ、この件では不明な点も残っており、エスタード紙は「なぜ58番を訪ねて車が入場したとの記録が残っているのか」「ボルソナロ氏は10月9日にこの件について聞いていたのになぜ否定しようとして動いていなかったのか」などの疑問点をあげている。