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北東部原油漂着=連警がリオで船会社捜索=ベ国からの原油運んだ船特定=南ア経由でマレーシアへ

原油流出源とみなされたボウボウリナ丸(Divulgação/Delta Tankers)

 【既報関連】8月30日から続いている北東部海岸の原油汚染に関し、連警が1日、原油を運んでいた船が特定されたとして、リオ市中央部に本社を置くラクマン・アジェンシア・マリチマ社とヴィッツ・オ・ブリエンズ・ブラジル社の家宅捜索を行ったと同日付現地紙サイトが報じた。
 原油流出源とみなされたのは、ギリシャのデルタ・タンカーズ社が所有するボウボウリナ丸で、7月15日から3日間、ベネズエラのプエルト・ホセに停泊して100万バレルの原油を積み込んだ後、ブラジル沖を通り、南アフリカを経てマレーシア(一部報道ではシンガポール)に向かったという。
 海軍はブラジル沖を航行した船1100隻の内、30隻について、本国に問い合わせたり、航路などを分析したりしていた。
 10月31日付G1サイトによると、ベネズエラから出てブラジル沖を通った船は14隻あったようだ。だが、海軍や大学関係者らが衛星写真を解析した結果、7月29日にパライバ州の沖733・2キロの地点で原油流出と思しき帯が見つかっており、7月28~29日に同海域を航行した唯一の疑惑船舶としてボウボウリナ丸の名前が上がった。
 ボウボウリナ丸はブラジル沖でも位置監視のための機器を切っておらず、いわゆる幽霊船やダーク・シャークには当たらない。だが、原油流出に関する報告は何も出ておらず、原油流出が故意か否かは不明なままだ。原油が捨てられたのか、漏れたのかや、正確な流出量もわかっていない。
 連警の「マークラ(汚れ、不純の意味)作戦」で家宅捜索を受けた2社は、デルタ・タンカーズ社の船舶に関する責任を負っている。家宅捜索令状はナタル市のリオ・グランデ・ド・ノルテ連邦裁判所が出し、リオ市で執行された。
 海軍によると、ボウボウリナ丸は4月にも原油漏れ(または投棄)の責任を問われ、米国で4日間航行を差し止められた経歴があるという。
 原油漂着による被害は10月31日現在で9州97市286カ所に拡大し、海洋生物の宝庫とされるアブロリョス国立海洋公園から100キロで、バイア州最南部にあるプラド市のコルンバウ海岸にも達した。
 原油が漂着した海岸の3割は、原油が2度以上漂着しており、原油で汚染された場所は、海岸や河口、マングローブの林やサンゴ礁などに及ぶ。 原油で汚れた状態で見つかった生物(ウミガメやイルカ、海鳥など)は100匹以上で、内約7割は死亡した。また、死んだ魚が浮んだところもある。
 経済活動への影響は、漁業や海洋養殖、観光業などを中心に報告されており、1日からは海老やカニも禁漁となるはずだった。だが、農務省は10月30日に、まだ危険とはいえないとの理由で禁漁措置を解除した。