ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》マリエレ殺害事件=ボルソナロ氏やはり関与?=検察局の捜査で矛盾続発

《ブラジル》マリエレ殺害事件=ボルソナロ氏やはり関与?=検察局の捜査で矛盾続発

カルメン・カルヴァーリョ氏(自身のインスタグラムより)

 【既報関連】リオ州検察局が10月30日に、「マリエレ・フランコ元リオ市議の殺害犯人エウシオ・ケイロス容疑者が犯行数時間前にボルソナロ大統領を訪れていた」との情報は門番の虚偽報告だったと判断したことに対して、矛盾する事実や疑問が浮上してきている。1日付現地紙が報じている。
 まず、リオ検察局が10月30日に行った、入場を許可したのはボルソナロ氏と同じコンドミニオの「65/66番」に住んでいたロニー・レッサ容疑者だったとの鑑識が、13時5分に依頼を受けた後、15時30分までの2時間25分という短時間で終わっていたことだ。
 この鑑識は、エウシオ容疑者がレッサ容疑者のコンドミニオで犯行当日に打ち合わせをしていたことが10月4日に判明し、門番を呼んで事情聴取を行ったところ、「エウシオ容疑者は最初にボルソナロ氏が住むコンドミニオ『58番』を指名して入場を希望した」と証言したことの真偽を問うもので、10月15日には鑑識できる状況にあった。だが、2週間以上遅れてグローボ局の報道が出た時点でやっと、それも短時間で行われたことになる。
 さらに、リオ州検察局が虚偽の報告と判断する決め手とした、2018年3月14日のインターフォン記録は、2019年10月30日現在に記録されているものを使用しており、過去に改ざんされた可能性の有無を確認していなかった。門番が勤務している詰め所のコンピューターの解析も行われていない。
 改ざん疑惑は、レッサ容疑者の妻が、今年の1月19日に、犯行当日に門番が「58番を経由して66番に入った」と記した手書きの通話記録の写真を撮って送信していたのが、彼女の携帯電話の中に残っていたことで生じた。エウシオ、レッサ両容疑者は1月22日に警察の事情聴取を受けていた。
 さらに、10月30日に「門番の証言は虚偽」とする記者会見にも立ち会った検察官の1人で、マリエレ事件を担当するカルメン・カルヴァーリョ氏が、自身のインスタグラムで熱心なボルソナロ支持者であることをアピールし、選挙キャンペーン中にマリエレ氏の追悼ネームプレートを叩き割ったリオ州議のロドリゴ・アモリム氏と写真に写っていた事実も判明し、問題となった。