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ブラジル音楽=人気バンド、スカンキが解散へ=90年代に一世を風靡も中心人物脱退で

スカンキ(右から2人目がサムエル)(バンドの公式インスタグラムより)

 90年代のブラジルで最大の人気を誇ったロックバンド、スカンキが、中心人物サムエル・ローザ(53)の脱退により解散を宣言した。
 これは3日、サムエルがフォーリャ紙に対して行ったインタビューで明らかになった。
 それによるとサムエルは、「バンドで30年間同じことをやり続けたため、ほかの人に対しても自分自身にとっても刺激がなくなっていた」と語り、「自分自身にもう一度刺激を与えるためには、同じメンバーと同じことをやるのではなく、他の人と他のことをするのが一番だと思うようになったんだ」と語った。
 サムエルはこれを「いつ戻るかはわからない、バンドの休止」と称した。スカンキはサムエルがヴォーカルを取り、楽曲もほぼ彼ひとりで書いてきたバンドであるため、実質上の解散だ。
 スカンキはミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテで誕生。ブラジル・ロックブームの第2世代として90年代半ばから高い人気を獲得し、同じベロ・オリゾンテ出身のジョッタ・クエストやパト・フーらとシーンを沸かした。
 その中でも特にスカンキの人気は高く、ブラジルの大スター、ロベルト・カルロスの60年代の曲のカバー、「エ・プロイビド・フマール」(1994)や、サッカー・アンセムとしても大人気となった「エ・ウマ・パルチーダ・デ・フッテボール」(96年)の頃にはミリオンセラーを誇る人気バンドだった。
 人気絶頂期の頃はレゲエ・バンドのイメージが強かった彼らだが、2000年に発表したアルバム「マキナーラマ」からは、影響源のひとつであるビートルズを意識したタイプのギター主体のロックに方向転換。この路線でも2000年代いっぱいまでは高い人気を誇った。
 だが、2008年に発表したアルバム「エスタンダルテ」以降、発表したオリジナル曲のアルバムは「ヴェロシア」(2014年)のみと活動が滞った。あまり積極的に国外に出て演奏するバンドではなかったが、サムエルは2014年、アメリカの世界的バンド、サンタナのアルバムにゲスト・ヴォーカルとして参加した。
 2010年代に入り、ブラジルではロックでの大きなヒットが減少していることからみても、スカンキの解散はさびしいニュースとなった。
 スカンキは2020年にサヨナラ全国ツアーを行い、そこで活動に終止符を打つ。(3日付フォーリャ紙などより)