2015年11月5日に起きた、ミナス州マリアナ市でのサマルコ社の鉱滓ダム決壊事故から丸4年が経ち、同市市役所が財務状況好転との報告書を初めて出したと4日付現地紙サイトが報じた。
3900万立方メートルに及ぶ鉱滓流出の爪あとは現在もまだ色濃く残り、賠償責任や刑事責任の追求も続いている。
鉱滓流出で破壊された集落再建は、市の財政改善要因の一つ。ベント・ロドリゲス、パラカツの2集落の再建作業は、2017年7月~2019年8月に2150万レアルのサービス税(ISS)をもたらした。
また、ロメウ・ゼマ同州知事と同市の鉱業協会(ANM)が3カ月間交渉した結果、4月に、州税の商品流通サービス税(ICMS)など、還元が遅れていた税金70億レアルを33回分割で払う事で合意が成立。財政改善に役立っている。
マリアナ市のドゥアルテ・ジュニオル市長は4日、「一時は26%に達していた失業率は11%に低下。事故後は年間6400万レアルの税収減を見たが、現在は状況が改善し、新しい税収はすべて、投資に回せる状況になった」とも語った。
サマルコ社の親会社Valeとの間で結ばれた、鉱山の操業停止で生じた税収やロイヤルティの減額分の補償合意が破棄された3月は、非常事態を宣言していた事を考えれば大きな改善だ。
再建・復興のために設置されたレノヴァ財団も7月に、公園再開や乳業関連の組合の復興、経済活動多様化のために1億レアルの経済プラン発表など、復興は徐々に進んでいる。来年からと予想されているサマルコ社の操業再開も、市の財政をより潤すはずだ。