下院で現在行われているフェイクニュース問題に関する議会調査委員会(CPI)で5日、今回のCPIで最も注目されている、親ボルソナロ大統領派ジャーナリストのアラン・ドス・サントス氏と、大統領との対立で議会政府リーダーを外されたジョイセ・ハッセルマン下議(社会自由党・PSL)の2人が証言台に立った。6日付現地紙などが報じている。
アラン・ドス・サントス氏はサイト「テルサ・リーヴリ」の主催者で、かねてからボルソナロ大統領を強く支持していることで知られている。また、大統領三男エドゥアルド氏がサンパウロ市のアパートの賃料を支出している説が報じられているなど、ボルソナロ一族との親密さも知られている。
また、10月30日に同CPIで証言した、元PSLで現在は民主社会党(PSDB)所属のアレッシャンドレ・フロッタ氏から、「ネットにおけるミリシアのリーダー」と名指しで批判を受けている。
ドス・サントス氏はエドゥアルド氏の資金援助の噂など、PSLとの関係について聞かれたが、「自分のサイトは独立した存在だ」と答え、ボルソナロ氏の大統領選に関しても「自発的に支持をしただけ。ブラジルが左翼ゲリラに負けないために」と語った。
ただ、テルサ・リーヴリのジャーナリストの一人、フェルナンダ・サレス・アンドラーデ氏が、ミナス・ジェライス州議ブルーノ・エングレル氏(PSL)の側近であることは同氏も認めた。
また、同氏が発信源とされる、同性愛者が小児性愛者と同一であるかのような言動や、「ヴァザ・ジャット報道」のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルド氏はボルソナロ氏殺人未遂犯のアデーリオ・ビスポ容疑者と関係があるなどの虚偽情報についても尋ねられたが、黙秘したままだった。
5日夕方前には、ジョイセ氏が証言を行った。ジョイセ氏は、両院の議会政府リーダーを外された10月20日以降、ボルソナロ家の息子3人を「ボルソナロ派のデジタル・ミリシア」のリーダーと呼び、1500のアカウントを使ってフェイクニュースや相手を罵倒するコメントをネットで流す部隊を持っていると暴露。検察や下院倫理委員会にも同件を持ち込む意向も明らかにした。
また、ボルソナロ一族との対立が明るみになった後、ネット上で「ポルカ(メス豚)」と呼ばれたりする嫌がらせを受けたため、「11歳の息子に『どうしてそんなことを言われるの』と尋ねられた」と告白して涙を流し、与野党議員から慰めを受ける場面もあった。