リオで6日、リオ州沖四つの海底岩塩層下(プレ・サル)油田の開発権公開入札が行われたが、落札総額は事前に連邦政府が想定していた1065億レアルを大きく下回る約699億レアルにとどまったと、6、7日付現地各紙・サイトが報じた。
入札にかけられた海底油田の鉱区は、ブジオス、イタプ、セピア、アタプの4カ所だったが、落札されたのはブジオスとイタプだけで、セピアとアタプには入札がなかった。政府は前日まで、世界的な石油メジャーが入札に参加すると期待していたが、蓋を開けてみれば、入札に参加したのは国内企業のペトロブラス(PB)と、中国海洋石油(CNOOC)、中国石油(CNODC)のみだった。
PBはブジオスをコンソーシアム(CNOOC、CNODCとの共同事業)契約で落とし、イタプは単独で経営する。
ブジオス開発に5%ずつ参画する中国の2社は、セピアやアタプの入札には参加しなかった。
2鉱区の落札総額約699億レアルの内、117億レアルが、州政府や市などの地方自治体に振り分けられ、237億レアルは連邦政府に、346億レアルはPB社に入る。
ボルソナロ大統領は、「確かに落札金額は予想より少なかったが、最も重要な海洋油田鉱区の開発権が売却できた。これは成功と言ってよい」と、落胆モードを打ち消す発言を行い、タルシジオ・フレイタス・インフラ相、ベント・アルブケルケ鉱動相、デシオ・オッドーネ国家原油庁(ANP)長官らもそれに続いた。
しかし、事前の期待を30%以上下回った今回の入札結果により、2020年の国家財政のやりくりが厳しいものになることも事実だ。経済政策関係スタッフからは、「これで、今年はともかく、来年のやりくりが難しくなった。税収など、他の歳入に頼らなくては」との声が聞こえている。
今回の入札にシェル(英国・オランダ)やトータル(仏)などが参加しなかったことで、今後は入札方法が変更される可能性もある。現地紙は、落札後もブラジル政府やPB社がその鉱区に介入できることが、国際企業が入札に消極的だった理由と分析。この方式は今後廃止される可能性もある。
入札の結果に為替市場も敏感に反応した。6日のドル/レアル相場はドルが2・2%上昇し、1ドル=4レアルラインを再び突破した。
投資銀行のチームエコノミストは、「市場の落胆は大きい。みんな驚いている。国際メジャーが参加してくれれば、1ドル=3・95レアルだったはず」と語る。