7日から再開された最高裁での「2審有罪判決後にすぐ刑執行か否か」の審理で、「2審派」が敗れそうな気配を前に、2審派の判事たちが、その判断の変更による影響を最小限に抑えようと動き、ジアス・トフォリ長官が唱えるであろう「3審後に執行」との案を強く支持しはじめていると、7日付現地紙が報じている。
10月23、24日に行われた審理で、「2審後に刑執行」に票を投じたのはエジソン・ファキン、アレッシャンドレ・デ・モラエス、ルイス・ロベルト・バローゾ、ルイス・フクスの4判事で、「2審後の刑執行に反対」には、アウレーリオ・メロ、ローザ・ウェベル、リカルド・レヴァンドウスキーの3判事が投票している。
だが、残った4判事を見ると、「2審後に刑執行」に票を投じると見られているのはカルメン・ルシア判事のみで、残るセウソ・デ・メロ、ジウマール・メンデス、ジアス・トフォリ長官は、2審で刑執行に反対の票を投じると見られている。
この予想通りの結果になれば、6対5で「2審有罪で刑執行」となった、16年11月に行われた前回の投票結果が覆ることとなる。
今回の投票結果の逆転は、諸方面から恐れられている。連邦検察庁は「2審で刑執行」を薦める声明を出しており、上院でも81人中43人、下院でも75人が2審で刑執行を行うことを求める署名に応じている。
仮に2審での刑執行が覆ることになれば、全国4895人の受刑者の処遇に、釈放などの影響が出ると見られている。その中にはパラナ州で受刑中のルーラ元大統領も含まれており、それが最高裁の判断逆転への強い抵抗力にもなっている。
そこで最高裁内で「ラヴァ・ジャット作戦支持派」と目されている判事たちは、投票結果が逆転しても、その影響が最小限になるように、すでに動いていると言われている。
それは、トフォリ長官が提唱するであろうと見られている、「高等裁での有罪判決で刑執行」という考えを支持する、というものだ。仮に同長官の考えが最高裁内で過半数の支持を得れば、3審で有罪となっているルーラ氏の釈放はなくなるためだ。
刑法では「控訴の可能性が消えるまで」、つまり最高裁での有罪で刑執行となっているが、トフォリ長官はすでにロドリゴ・マイア下院議長とダヴィ・アルコルンブレ上院議長に、「3審有罪での刑執行」での改正法案の審議の提案をしており、両議長から好評を得ているといわれている。
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