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サッカー=元ブラジル代表タイソンがウクライナで人種差別の被害=本人は反抗の中指立て退場

タイソン(Lucas Figueiredo/CBF)

 18年サッカーW杯ではブラジル代表にも選ばれた、ウクライナのシャフタル・ドネツク所属のタイソンが、10日のウクライナ・プレミアリーグの対ディナモ・キエフ戦で、相手チームの観客の人種差別的な野次を浴びせられた上、退場させられる事件が起きた。
 試合はシャフタルの本拠地メタリスト・スタジアムで行われたが、問題のシーンは後半37分に起こった。相手陣営にドリブルで攻め入ったタイソンが、競り合いで相手ディフェンダーを倒したように見えたとき、ディナモ・キエフのサポーターから人種差別的な挑発を受けた。
 これに激高したタイソンは、キエフのサポーターの観客席に向かって中指を立て、さらに、そこに向けてボールを高く蹴り上げた。
 タイソンはこのプレーでレッドカードをもらって退場となったが、感情が収まらず、涙の退場となった。
 ブラジル人のチームメイト、褐色系の選手デンチーニョも同じ試合で人種差別的な侮蔑語を浴びせられて不快感を表し、タイソンをなだめる一方、自身も涙を流した。
 タイソンは試合後、自身のインスタグラムで、「こんな非人間的な行為にあったのでは、もう黙っていられない」と語り、さらに「僕の流した涙は怒りの涙で、あの場ではどうしようもできないことへのもどかしさから出たものだ」と、収まらない気持ちをぶつけていた。
 タイソンのシャフタルでのプレーは2013年からと長く、同国ではおなじみの選手であったにも関わらず、このような被害を受けてしまった。(10日付グルーボエスポルテより)