ここ10年余りで、サンパウロ市の新築アパートの平均面積は27%も縮小した。
ワンルームタイプに限れば、その縮小率はもっと大きくなる。2009年には平均55・7平方メートルだったのが、2019年7月のデータでは33・2平方メートルへと、40・3%も小さくなった。
また、45平方メートル以下の「コンパクトタイプ」と呼ばれる物件が増えている。こうしたタイプの物件は、今年1月から8月までにサンパウロ市内で新規発売されたアパート全体の6割以上を占める。
リオの学究機関、ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団所属で不動産関係が専門のアルベルト・アジェンタル教授は、「消費者の予算に収まるように、新築アパートは小さくなっていった」と語る。
同教授によれば、コンパクトタイプの物件を好むのは、実用性を重視する35歳までの若者が多いという。彼らは、広々とした物件に住むより、プライベート空間は小さくても、インフラの整った地域に住む方が良いと考えている。
また、こういったアパートでは、プライベート空間が小さくなってきているのに対し、共用スペースやレジャー施設は拡大する傾向にある。敷地内にちょっとした買い物ができる店舗があり、生活上の便宜が図られている例も多い。
また、ワンルームタイプは、居間、キッチン、寝室などがはっきり分けられておらず、一体化している。異なった活動を一つの空間で行わなければならないため、空間の使い方にも柔軟性が必要で、持ち物を減らしてシンプルな生活を心がけるという意味のライフスタイルの変化も求められる。(10日付フォーリャ紙より)