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兵庫県=高校・大学生がブラジル農業研修=「広大な農地、全てが新体験」

来伯した学生ら

 県内の高校・大学生13人と引率2人による「第41回兵庫県若手地域農業リーダー海外派遣団」(北垣一成団長)が、海外研修のため10月24日に来伯。先月31日に、サンパウロ市リベルダーデ区のニッケイ・パラセ・ホテルで会見した。
 派遣団は5日までブラジルに滞在し、パラナ州マリンガ市、サンパウロ市で日系農家の視察や現地高校生との交流、ホームステイなどを行った。
 この海外研修制度は、兵庫県が次世代の地域農業を支える人材育成を目指して実施。今回は県立農大、県立有馬高、県立但馬農高、県立農高、県立播磨農高、県立山崎高の6校の学生や生徒が参加した。

取材に応えた藤本さん、高智さん

 学生代表の藤本将平さん(県立農大1年)は、「日本とは比較にならないほど広大な農地を目の当たりにしたことが深く印象に残った」という。「日本ではミカンの収穫は年に1回だが、年間を通して温暖なブラジルでは、複数回の収穫も可能だと聞いた」と気候の違いを生かした農業の様子も確認した。「全てが新しい体験。帰国したらブラジルを参考に色々と試してみたい」と意欲を見せた。
 副代表の高智和さん(こうち・やまと、県立播磨農高2年)は農業と食に関心を持ち、将来は食材の生産から料理までを自分で行いたいと考えている。ブラジルではフェイジョアーダを初めて食べ、「最初は美味しく感じなかった」と戸惑った。だが「徐々になれてきた」とも。一般的には日本は質、ブラジルは量を重視する傾向があるが、日系農家の中には少量の高価な有機栽培で業績を伸ばしている人もいるとの発見があったという。
 北垣団長(但馬県民局朝来(あさご)農林振興事務所農政振興課課長)は、「ブラジル農業の規模の大きさ、日本との違いを体感し、また人的交流を通して、将来に役立ててほしい」との期待を語った。