ブラジル連邦政府は11日、「18~29歳の若者の雇用を促進するための暫定令(MP)」を中心とし、日曜日の労働に関する規制緩和、小規模企業家や個人向けのミニ融資の促進、仕事中の事故で障がいを負った人へのリハビリ補助、障がい者雇用枠の積極活用推奨などを含む、「緑と黄色の計画」を発表した。11~13日付現地各紙・サイトが報じている。
同計画はボルソナロ大統領、パウロ・ゲデス経済相列席のセレモニーで発表され、「若者を対象とした『緑と黄色の計画』に基づく雇用枠創出」を定めたMPに大統領が署名した。MPは官報掲載と同時に法律と同じ効力を持つが、正式なものとなるためには、120日以内に上下両院議会で承認されなくてはならない。
「若者の雇用促進」のためのMPは、一定の枠を決めて採用された若者に対して、フォーリャ・デ・パガメント(給与の支払明細)上に記載される社会保障費負担額を30~34%減額することで、若者の雇用を促進しようとしている。MPの対象は、これまでに正規雇用された経験がなく、最低賃金1・5倍以内の給与で新規採用した18歳から29歳の若者で、契約期間は最大2年間だ。全従業員の20%が上限となる。
この枠で採用された若者に対しては、INSSの負担義務免除、正当な理由のない解雇時に払うFGTSの罰金の政府受け取り分免除などの措置がとられる。政府はこの「若者雇用」だけで、2022年末までに180万人の新規雇用が生まれると見込んでいる。
政府はまた、日曜日の労働に関する規定など、雇用の流動性を妨げている規制を緩和し、小規模企業家のためのミニ融資を促進している。
政府は今年8月に「経済自由のMP」を出し、2017年11月に成立した改正労働法を、さらに雇用流動性を高める方向に改正したが、「日曜労働の規定」などは、議会によって否決された。今回の日曜労働規定の変更で、雇用が50万人増えると政府は期待している。
また、「緑と黄色の計画」では、「労働災害などにより、労働市場の外に置かれている人々を再就職させるためのリハビリテーションの機会と職業訓練の機会を保証する」として、障がい者100万人を労働市場に戻そうともしている。また、ミニ融資の促進で400億レアルが経済に注入されることにより、45万人分の雇用が発生すると期待している。
こうした一連の政策により、政府は3年以内に400万人分の新規雇用の創出を狙っている。