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良い知らせを伝える者の足は

 4日付の伯字サイトで「良い知らせだけ」というサイト(http://www.sonoticiaboa.com.br/)に関する記事を読んだ。ジャーナリスト歴30年で、殺人や汚職などの悪い知らせばかり報じる内に胃を患い、良い知らせだけ流そうと決めた男性の話だ▼「肉体的な問題ではない」と医師に言われた男性は、悪い知らせばかり扱っていたから病気になったと理解。悪い知らせが精神や肉体を蝕む事は米国の研究論文でも確認した▼ミナス州ブルマジーニョの鉱滓ダム決壊の動画は、今でも恐怖心を呼び起こす。近くの宿泊施設で巻き込まれた一家への賠償命令がVale社に出た事は良い知らせだが、ブルマジーニョ、Valeと聞くだけで、先の映像や泥にまみれて捜索活動に当たる消防士を思い出す人も多いだろう▼病気を契機にメディアを辞めた男性が立ち上げたサイトには、ブラジルや欧米諸国、日本など、120カ国から月200万回のアクセスがある。インスタグラムは毎日、新フォロアーが500~1千人つくと聞くと羨ましくもなる。気持ちが暗くなるようなニュースばかり続くと特にそうだ。ソーシャルネットワークで流れる情報は虚報(フェイクニュース)が多いので、信憑性を保つために流すべき情報探しに苦労するとの弁にも納得した▼良い知らせだけ伝えるのは難しいが、多くの人はそれを求めている。バビロン捕囚からの解放と祖国帰還という「良い知らせを伝える者の足」は美しいと書いた箇所が聖書にある。ローマ帝国支配下のユダヤ人が、救い主誕生を喜んだのは2千余年前。街頭の電飾を見、冒頭の記事を読み返して、世界最初のクリスマスに流れた、今も色褪せない良い知らせに思いを馳せた。(み)