ホーム | ブラジル国内ニュース | 《サンパウロ州バルエリ市》路上生活者4人が毒物で死亡=入院含む被害者は合計9人=「貰った飲み物分けた」と供述

《サンパウロ州バルエリ市》路上生活者4人が毒物で死亡=入院含む被害者は合計9人=「貰った飲み物分けた」と供述

事件を伝える18日付フォーリャ紙の記事

 サンパウロ大都市圏バルエリで16日の朝、路上生活者ら4人が死亡する事件が起こった。毒物を飲んだことが死因と見られている。17、18日付現地各紙が報じた。
 亡くなったのはエジソン・ダ・シウヴァ氏(40)、ルイス・ダ・シウヴァ氏(49)、マルロン・ゴンサウヴェス氏(39)、デニス・ダ・シウヴァ氏(33)の4人で、エジソン・ダ・シウヴァ氏を除く3人は路上生活者だった。
 バルエリ市役所によると、16日午前8時半ごろ、市中央部の救急医療施設(プロント・ソコーロ)に男性7人と女性1人が運び込まれた。8人共、瞳孔拡大、身体の震え、心拍数急増(頻脈)などの中毒症状を見せており、男性4人(1人は年齢未確定、残りは39~40歳)が死亡した。
 また、レニウトン・フレイタス氏(43)、シウヴィア・エウリペス氏(54)、ヴィニシウス・カルドーゾ氏(31)、フェレイラ・レメ氏(38)の4人は、市立病院に入院した。
 同日午後6時半ごろには、パウロ・ペドロ氏(41)も緊急医療施設に入り、毒物の被害者は合計9人となった。ペドロ氏も含む、入院患者5人の容態は17日午後の時点では安定している。
 バルエリ市保安局によると、命を取り留めた内の1人は、「(サンパウロ市セントロの麻薬汚染地帯)クラコランジアで15日に物乞いをしていた時、見知らぬ男からアルコール飲料が入っていたと思われる瓶を受け取った。瓶をバルエリ市に持ち帰って、中の飲み物を仲間と分け合った」と供述しているという。
 警察は、飲み物を受け取ったのは、ヴィニシウス・カルドーゾ氏だったとしている。疑惑の飲料は18日に鑑定にかけられた。
 警察は被害者の毒性試験とアルコール投与試験も行う予定で、法医学研究所(IML)が鑑識報告書を作成している。鑑識の結果は今週中に出る見込みだ。
 警察は、物証を探すために防犯カメラの映像の解析も行っている。
 16日の時点でバルエリ市保安局は、路上生活者たちが飲み物の入った瓶などを受け渡していた映像は見つかっていないとしていた。
 捜査員たちは、サンパウロ市の防犯カメラも解析し、何者かが路上生活者の男に瓶を渡した映像がないか探している。
 また、警察は入院中の被害者たちの回復を待って事情を聴く予定だ。
 17日にはエジソン氏、マルロン氏、デニス氏らがバルエリ市内の墓地に、ルイス氏がオザスコ市の墓地にそれぞれ埋葬された。
 エジソン氏の姉のヴィヴィアーネ・ダ・シウヴァ氏(42)は、「アルコール中毒の人が『カシャッサをもらって、クラコランジアからバルエリまで30キロの道中を、一口も口をつけずに帰った』ですって?」と供述の内容に疑問の声を発している。