ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ラヴァ・ジャット=パラグアイ元大統領に逮捕令状=両替商の逃走資金を工面?

《ブラジル》ラヴァ・ジャット=パラグアイ元大統領に逮捕令状=両替商の逃走資金を工面?

 リオ連邦地裁のマルセロ・ブレタス判事が19日、パラグアイのオラシオ・カルテス元大統領ら20人に逮捕令状を出し、午後1時半までに11人を逮捕したと同日付ブラジル国内紙サイトが報じた。
 リオ州ブジオ市、マット・グロッソ・ド・スル州ポンタ・ポラン市、サンパウロ市で敢行された「パトロン作戦」は、2018年5月に行われたラヴァ・ジャット作戦絡みの捜査「カンビオ、デスリーゴ(CD)作戦」を受けたものだ。
 CD作戦の最大標的は52カ国で16億ドルを動かしたとされる両替商のダリオ・メッセル容疑者だ。彼と手を組み、不正な利益を得ていた両替商、資金洗浄などを行っていた政治家や企業家ら45人に逮捕令状が出た。昨年5月はリオ州、サンパウロ州、リオ・グランデ・ド・スル州、ミナス州、連邦直轄区、パラグアイ、ウルグアイで逮捕者が出ており、メッセル容疑者も今年7月にサンパウロ市内で捕まった。
 カルテス氏には、メッセル容疑者が昨年6月に要請した弁護士費用などに充てる資金50万ドルを用立てたとの容疑がかけられている。同氏はメッセル一家の古い友人で、メッセル容疑者は同氏をパトロンと呼んでいた。
 メッセル容疑者はブラジルとパラグアイ、アルゼンチンの三角地帯で20年以上、資金洗浄や麻薬密売に関与。1700万ドルをバハマの銀行に預け、300万ドルをパラグアイの政治家や企業家、両替商らと分け合っていたという。
 カルテス氏は飲料や煙草、葉巻、衣類、肉などを扱うカルテス・グループの社長で、複数の医療センターも持っている。コロラド党入党は2009年だが、企業家として知られ、フェルナンド・ルゴ元大統領失脚後の2013年に、56歳で大統領に就任。18年8月15日に退任した。
 同氏とメッセル容疑者の伝達役だったロッケ・ファビアノ・シウヴェイラ容疑者は、メッセル容疑者に、パラグアイ当局に自首するなら大統領退任後にとのカルテス氏の言葉を伝えていた。メッセル容疑者は金を要請した際、アスンソン市で軟禁状態に置かれていれば色々な面で物事を動かし易いと記していた。
 19日午後1時半現在の逮捕者は11人で、リオ州ではメッセル容疑者の愛人のマイラ・アタイデ容疑者ら、サンパウロ市では両替商のナジュン・アザリオ・トゥルネル容疑者らが逮捕された。ブラジルと国境を接するペドロ・フアン・カバリェロ市では、パラグアイのショッピングセンター主も逮捕された。
 カルテス氏は国外逃亡中で、国際警察の指名犯リストに名前が記載される事になったという。