甘辛いタレに漬け込んだ上質な牛肉をジューッと焼いて、サンチュ(包菜、つつみな)でさっとくるんで口へ運ぶ――肉のうま味と甘辛いタレが口に広がり、サンチュでさわやかに締まる。これがプルコギの醍醐味だ。
サンパウロ市のアクリマソン公園にほど近い、モダンなレストランや専門店が点在する閑静な住宅街。その一角に、本場の韓国料理を堪能できる店がある。広々とした清潔な店内には、大きな窓から光がさし、スタッフが丁寧に迎えてくれる。
「Moah Restaurante」は、5月に新装開店したばかりの本格韓国料理店。若き韓国系二世のナターリャ・ジュンリさんが経営し、腕を振るう。
おすすめは韓国料理代表ともいえるプルコギとビビンバ。注文すると、次々にキムチ、チヂミ、モヤシのナムル、スープなど10皿ほどの小皿料理が運ばれてくる。どの料理にも、この付け合わせがセットでついてくると、お得感満載だ。
プルコギ(2人前~、115レアル~)は、何種類ものスパイス、調味料を組み合わせた甘辛いタレに漬け込むのが特長。「材料は秘密」という秘伝のタレが箸を止めさせない。ブラジル料理にもシュラスコがあるが、塩辛い味付けばかり。甘みを生かしたタレは、日本人好みといえそうだ。
肉にニンジン、キュウリ、モヤシ、大根などの野菜と目玉焼きが乗ったビビンバには、卓上のコチュジャンとごま油を加え、豪快にかき混ぜる。夏に涼しい店内で味わう熱々ピリ辛がたまらない。思わずかきこみたくなる。
辛味が苦手という人や子ども連れでも、注文すれば控えめにできる。韓国料理初挑戦という人は、スタッフに頼めばプルコギやビビンバのおいしい食べ方を教えてくれる。
他にもスンドゥブやさっぱりとした冷麺などの王道韓国料理、海鮮やキムチの鍋料理も楽しめる。当店名物キムチは持ち帰りの提供も。
食材はジュンリさん自らが市場に買い付けに行く。「ブラジルに合わせるのでなく、伝統的な韓国料理を味わってもらう」とのこだわりを見せる。家族から伝わるレシピで腕を振るう。
2階は宴会用スペースで、100人分の座席を用意。予約は1週間前までに。今年の忘年会は、韓国料理でピリッと締めくくるのはいかが?
「Moah Restaurante」
▽住所
Praça General Polidoro, 111 – Aclimação
▽電話番号
11・3399・2894
▽営業時間
火~日曜・祝日(月曜日定休)
昼 正午~午後2時半
夜 午後6時~9時半