コロンビアで21日、首都ボゴタを始めとする国内各都市でイヴァン・ドゥケ大統領の政策に反対する大規模デモやゼネストが発生したと、21、22日付ブラジル各紙、サイトが報じた。
ドゥケ政権発足から15カ月で発生したデモとゼネストには、労組、学生、先住民族の団体、環境活動家、野党勢力が参加し、現政権の経済政策や社会政策、治安対策への不満を噴出させた。
首都ボゴタでは、反政府団体がバスの走行を阻止。スーバではデモ隊と治安部隊の衝突が発生した。
カリでも同様の事態が発生した。ブカラマンガやメデリンでも、車の走行量が激減した。
多くの企業や大学は、ストの影響を考慮し、前日から休業、休校措置をとった。
コロンビア労働者総連のフリオ・ロベルト・ゴメス会長は、「この大規模デモ行進、ゼネストの後、多くのテーマで政府側と議論することを希望している」と語った。
デモの主催者側は「全国で100万人が参加」と喧伝しているが、ナンシー・グティエレス内務相は、「午後4時までの時点で20万7千人」としている。
「ゼネスト、デモは反政府側の勝利に終わった」とのムードが支配的だが、ドゥケ政権が具体的な返答を出すまでは路上にとどまり続けるよう参加者に要請している労組もある。主要労組の一つである中央労組のオスカル・ロメロ氏は、「ゼネストは24時間の予定だったが、政府が我々の要求に返答しないなら、無期限でストを継続する」と語った。
ドゥケ政権支持勢力は議会で過半数を取れておらず、また、ドゥケ大統領への不支持率も69%に達している。
ドゥケ大統領はボゴタで、国防相、内務相、警察や軍の高官に付き添われながら、デモ、ゼネストの様子を見守った。
同大統領はスト前日、反政府側の要求の一部に正当性があることを認めたが、反政府キャンペーンには多分に嘘も含まれており、それらが暴力を煽っていると批判した。
反政府側が反発しているドゥケ政権の政策は、「若い世代の就業のハードルを下げる」との名目で、最低賃金の7割の賃金での雇用を認める、年金改革、税制改革、公社民営化、電気代の大幅値上げなどだ。
その他にも、相次ぐ汚職、教育問題への不満が噴出しており、現行の法定最低賃金(月額240ドル)では生活必需品も満足に買えないとの理由での賃上げ要求も出ている。
ドゥケ大統領は、ブラジリア時間の22日午前2時50分(現地時間の午前0時50分)に、ツイッター(@IvanDuque)で、「今日コロンビア国民が声をあげた。私たちにその声は届いている。我が政権は、『対話』を最も重要視している。それによって、社会の抱える課題を解決し、腐敗防止を加速させなければならない」と投稿した。