ウルグアイで24日、大統領選挙の決選投票が行われ、ルイス・アルベルト・ラカージェ・ポウ氏が僅差でリードしている。だが、ボリビアで10月に行われた大統領選後に政変が起きたのをはじめ、昨今の南米の荒れる状態を考慮し、結果発表は100%開票まで待つこととなった。25日付ブラジル国内紙が報じている。
ウルグアイの大統領選は、同国で15年与党の座にある左派政党・拡大戦線の候補ダニエル・マルティネス氏と、中道右派・国民党のラカージェ・ポウ氏の争いとなった。
一次投票ではマルティネス氏が得票率39・02%で、28・62%の票を得たラカージェ・ポウ氏をリードしていた。だが、事前の報道では、一次投票で3位、4位だった候補の票を取り込んだラカージェ・ポウ氏が逆転勝利するだろう、との見方が優勢だった。
だが、決選投票は予想以上に接戦となった。開票率98・5%の段階ではラカージェ・ポウ氏がリードしているが、得票は有効票の50・6%で、得票差も2万8666票とかなりの僅差だ。
開票30%の時点ではラカージェ・ポウ氏が8%ポイントの差をつけリードしていたが、75%の時点ではリードが3%ポイントに縮まり、それがさらに縮まっている。
ウルグアイの選挙裁判所は、差があまりにも僅差なのを受け、即時での当選者発表を避け、当該選挙区外で投票した人や高齢者、障害者などの観察票と呼ばれる票(3万5229票)の開票も終わった後に発表を行うことにした。正式な当選発表は、28日か29日になりそうだという。
この背景には、10月24日に行われたボリビアの大統領選がある。この選挙では、開票の途中に中断が起こるなどのトラブルがあった後、現職で4選を目指していたエヴォ・モラレス氏の一次投票での勝利が宣言された。
だが、不正を疑った野党側の怒りが過熱化して暴動が発生。さらにはエヴォ氏の辞任、野党側による暫定政権の成立となったものの、暫定政権側のエヴォ氏支持派への弾圧などによる人権問題も浮上した。暴動に伴う死者は32人に増え、22日にはエヴォ氏が告発されるなど、現在も混乱が続いている。
ボリビアのアニェス暫定大統領は議会が承認した再選挙法案を24日に裁可。新たな大統領選に向けた歩みが一歩進んだが、エヴォ氏の出馬は禁じられている。
南米では10月以降、選挙以外でも、エクアドルやチリ、さらにコロンビアと、新自由主義経済を掲げる政府に左派の国民が反旗を掲げる長期的かつ激しいデモが相次いで起きるなど、混乱が続いている。