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《ブラジル》下院の中道勢力がカジノ合法化要求=大統領は福音派に気がね=リオ市長は意外にも賛成

26日、マナウスで福音派の儀式に参加したボルソナロ大統領(Marcos Corrêa/PR)

 下院の中道勢力、セントロンがボルソナロ大統領にカジノ合法化を求めて動いている。大統領はカジノ反対の立場をとる福音派の意向を聞くことを求めていると27日付現地紙が報じている。
 カジノ自由化に関する法案は、民主党(DEM)下院リーダーのエウマル・ナシメント下議や連帯(SD)党首でもあるパウロ・ペレイラ・ダ・シウヴァ下議、クラウジオ・カジャード下議(進歩党・PP)らが推し進めている。セントロンは現在、連邦議会で多数派を占める勢力だ。
 この法案に関しては、ロドリゴ・マイア下院議長(DEM)も「リゾート地に限る」との条件付で賛成。カジノ法案は2016年から審議がはじまり、投票にかける準備が整っている段階だ。
 だが、カジノ法案にとって大きな関門となるのは福音派の存在だ。下院の福音派議員は195人もおり、大半がカジノに強く反対している。
 ブラジルではカジノが合法だった時代が存在する。それは1920年から46年にかけてのこと。30年代にはリオで、後にハリウッドの国際的女優として一世を風靡したカルメン・ミランダのショーを行うナイトクラブとの併営などにより、大全盛時を迎えている。
 カジノは商業的には大成功を収めたが、キリスト教団体から廃止運動を起こされ、46年に違法となった。この際、5万5千人が職を失った。
 カジノ合法化のロビー運動を展開するセントロンの下議たちは先週、ボルソナロ大統領にも直接掛け合った。このとき、ボルソナロ氏は彼らに福音派のグループに意見を聞くことを求めている。
 同大統領にとって、福音派は大きな支持母体だ。それに、昨年の大統領選の際、カジノ反対を掲げていた。
 ただし、注目すべきは、かつて大規模なカジノが存在したリオ市のマルセロ・クリヴェラ市長が「外国人向けに限る」との条件付でカジノ合法化に賛成していることだ。ウニベルサル教会の監督としても知られるクリヴェラ氏の見解は、福音派の下議たちに影響を及ぼしそうだ。