ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》若年労働者の雇用促進の暫定令=審議せず政府につき返す可能性も=議長に「憲法違反」との陳情届く

《ブラジル》若年労働者の雇用促進の暫定令=審議せず政府につき返す可能性も=議長に「憲法違反」との陳情届く

 【既報関連】ダヴィ・アルコルンブレ上院議長(民主党・DEM)は26日、今月11日にボルソナロ大統領が発表、署名した暫定令(MP)「緑と黄色の計画」を政府につき返す意向を示した。27日現地紙が報じている。
 「緑と黄色の計画」は、18~29歳までの若年労働者の雇用促進を狙って発表された。同計画は暫定的に法律と同じ効力を持つが、120日以内に上下両院で承認されなければならない。
 不況からようやく若干回復しつつあり、経営体力のない企業は新規雇用、特に職歴の浅い労働者の雇用を渋る傾向にある。政府はこうした若い労働者の就業を促進するため、雇用条件を企業側に有利にしたり、今の人員を解雇することなく、若者を追加で雇用した企業の社会保障負担軽減させることなどを含んだMPを出した。
 アルコルンブレ議長のもとには、議員や労組から「MPの内容は憲法違反だからつき返すように」との陳情が来ている。議長の判断は来週中に下される予定だ。
 MPの中には、議会が今年既に否決した内容も含まれている。「MPは憲法違反」と判断した場合、議長は審議、採決しない権限がある。議長は質問に対し、「まだ分からない。検討中」とだけ答えた。
 一方、連帯(SD)の党首パウリニョ・ダ・フォルサ下議は、「議長はMP全項目の半分を取り除き、残りを採決するだろう」と語っている。