「この会館が、いついかなる時も皆さんの心の拠り所となることを願います」。今月13日夜に行われた『GLA・ド・ブラジル会館』の開所式で、主宰の高橋佳子氏は、そう動画で祝辞を述べた。今年、日本で創立50周年、ブラジルでも創立45周年を迎えたGLA。記念日となる9月15日には新会館を竣工し、開所式には会員や関係者ら120人が出席し、海外拠点初となる会館の設立を喜んだ。
メトロのアナ・ローザ駅から徒歩5分、歩道に立つ会員らが道案内する方向へ向かうと、新しく建設された会館が現れた。この日のために、日本の総合本部から久水宏之理事、教務会役員の仲澤敏氏を含めた8人も来伯し、開所を祝った。
初めに会館の入口で尾田嘉雄理事長、顧問弁護士の二宮正人氏、久光理事、仲澤氏、石川レナト文協会長、与儀昭雄援協会長、野村アウレリオ・サンパウロ市議、ブラジル戸田建設の今川尚彦氏の8人が並び、テープカットが行われた。
続いて地下の講堂へ場所を移し、GLAを紹介する動画が流れた後に、仲澤氏により開所式の祈祷が執り行われた。
次に挨拶に立った尾田理事長は、「10年前からブラジルに『魂の学』の拠点を建立したいと思っており、こうして節目の年に完成の運びとなった」と喜び、「『魂の学』をブラジル、そして南米全土に伝えていきたい」と意気込みを力強く語った。
会館建設のプロジェクトを引き受けたブラジル戸田建設の今川社長によれば、昨年10月23日に起工式が行われ、今年7月15日に無事に引き渡しが完了した。「設計の石田知寛さんが細部にこだわり、内部空間には自然光がふんだんに入った、温かみがある建物となった」と表している通り、現代的で落ち着く建物となっている。
来賓らの祝辞の後は、高橋佳子氏がこの日のために特別に撮影した動画が流れた。高橋氏は「会館ができた皆の喜びを思うと私自身も喜びを感じる」と微笑み、「日伯は遠いが、私達は深い絆で結ばれている。これからも日本の会員と一緒に居てほしい。私も皆さんと共にある」と呼びかけると、会員らは喜び手を合わせた。
式典後は、入口右の螺旋階段でサイトウ・ケイコさんによる歌のショーを開催。「アヴェ・マリア」「花は咲く」「さくら」を美しい声で朗々と歌い上げた。
石川文協会長が乾杯の音頭を取り、夕食会が始まった。GLAの会員になって10年程経つという中野典子さん(71、鹿児島県)は、高橋氏の言葉に感動して涙を流したという。
12歳で渡伯し、18歳で母を亡くした中野さんが、初めて心惹かれた宗教がGLAだった。「自分が辛い時、先生に縋りたくても、その思いが届いているか不安だった。でも先生は『私はいつも傍にいる』と仰ってくれて、それに感動した」と満面の笑顔で語った。
日本から訪れた久光理事も挨拶に立ち、「先生の言葉と目指す使命を伝え、この会館が魂の故郷となり、この会館が大勢の人で溢れる未来が見える」と祝辞を述べ締めくくった。