ブラジルで一般国民のクレジット債務解消のサポートを行うリカバリー(R)社が行った調査によると、債務不履行者の56%は、7年以上前から債務不履行に陥っており、30%は二つ以上借入先があることが分かった。2日付現地紙が報じている。
R社はブラジル最大手の債務整理会社で、同社だけで、クレジット債務者2500万人分のデータを抱えている。
調査によると、平均債務額は3116レアルで、債務者は北東部9州と南東部4州に多い。また、年齢別に見ると、25~45歳が圧倒的に多いという。
ブラジルでは6千万人の債務不履行者がおり、その多くは、2014年半ばから2016年いっぱいまで続いた大型不況に伴う失業増加とともに債務不履行に陥った人々だ。
ブラジルの失業も最悪期は脱しかけているが、依然として労働市場の活性化には程遠く、債務不履行者数も不況前の低水準には戻っていない。
ブラジル中銀によると、現時点では、個人で融資を受けている人で債務不履行に陥っている人の割合は7・5%で、この数値は今年1月の7%より0・5%ポイント(P)高い。特別小切手を使って債務不履行に陥っている人は16・1%で、こちらも1月の14・2%より1・9%P高い。
教育調査研究所(Insper)所属教授のリカルド・ロッシャ氏は、「国内総生産(GDP)が2~2・5%でも伸びてくれば、雇用市場も活性化し、多くの国民が抱えている債務も解消されるのだが」とし、債務不履行率の改善は景気回復の度合いに依存していることを明らかにした。