ホーム | ブラジル国内ニュース | ブラジル国内で食肉価格が高騰中=対中輸出増大で供給不足に

ブラジル国内で食肉価格が高騰中=対中輸出増大で供給不足に

 ブラジルから中国への食肉輸出量が増大していることなどを受け、ブラジル国内では食肉価格が急上昇していると、2日付の現地ニュースサイトが報じた。
 豚インフルエンザの蔓延で自国産の食肉だけで国内需要を満たしきれなくなった中国が、ブラジルからの食肉輸入を大幅に増やしたことで、ブラジルからの食肉輸出は11月だけで45%増加。これを受け、ブラジル国内の食肉価格も高騰が続いている。
 価格上昇は、精肉工場から町の肉屋まですぐに到達。肉屋やレストランは、仕入れ値の上昇を販売価格に上乗せせざるを得なくなっている。
 肉屋の主人からは、「値段を毎日付け替えなくてはいけない。まるでサルネイ政権期(85年3月―90年3月)のようだ」とのボヤキも伝わってくる。しかし、肉屋も客を失う恐れから仕入れ価格上昇分を全て販売価格に上乗せするわけにはいかず、「こんな状態は、お客にとっても、ウチらにとっても良いことではない。まあ、中国人には関係ないだろうけど」とも語った。
 先端的応用経済研究センター(Cepea)の調べでは、大型食肉牛の平均価格は、11月の1カ月間だけで35・5%上昇した。
 肉屋店主のマウロ・ナシメント氏は、10月は16・90レアル/キロだった肩ロースが、11月は24・90レアル、10月は29・80レアルだったサーロインも、11月は44・90レアルになったと明かした。
 ナシメント氏は、「これでも仕入れ値が上がった分全部を販売価格に乗せているわけじゃないんだ。今でも十分高いってお客に文句を言われている。全部乗せたら商売上がったりだ」と語った。