黒人の文化保存などを目的とする、連邦政府傘下のパルマレス文化財団会長に指名されていたセルジオ・カマルゴ氏が、裁判所より就任差し止め処分を受けた。カマルゴ氏は自身も黒人でありながら、フェスブックに「ブラジルの黒人差別など薄味だ。本物の黒人差別は米国にこそある」など、ブラジルにおける黒人差別問題を軽視するような言動を行い、同会長職に相応しくないとして問題となっていた。差し止めたのはセアラー州連邦地裁だ。ブラジルでは最近、国立図書館財団や国立芸術財団の会長が、大衆に支持されている文化を特定の思想で貶める発言を行い、強い反発を買った。これら2機関の人事もパルマレスに続くか。
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ブラジル地理統計院(IBGE)の調べによると、ブラジルでは2017年1月から2018年12月までの2年間で、18歳以下の少女に対する強姦事件が5万899件発生した。これは対象期間中の全強姦被害の62%を占めており、20分につき1人が被害に遭った計算になるという。この年齢の場合、強姦されたことを明らかにし、被害届を出す勇気があるかという問題もあるため、実際の件数はもっと多い可能性がある。現実は数字以上に深刻だ。
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ジョイセ・ハッセルマン下議とカルラ・ザンベッリ下議が連邦議会の場とは思えない口論を行った4日は、サンパウロ州議会でも乱闘騒ぎが起きており、「この国の政治家の品位はどこまで下がれば気が済むのか」と嘆く世論がネット上で多く見られた。だが、そうした政治家を選挙で支持したのは国民。考えさせられる問題だ
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