「ミナス料理が美味しい!」という話は、サンパウロ市でよく聞く。その代表格の一つが『O Mineiro Prime』で、店主ウィルソン・ジアス・デ・オリヴェイラさん(44、ミナス・ジェライス州セナドール・フィルミーノ市出身)は「日本人客も多いよ」とうなずく。
場所は、地下鉄コンソラソン駅から徒歩5分。2階建てで180席数。平日の昼時は近くで働くビジネスマンで繁盛しており、店の人気ぶりが伺える。
それもそのはず、店のサービスも気が利いている。たとえばブラジルの伝統的なカクテル、カイペリーニャ(20・90レ)は、1杯頼むともう1杯は無料で味わえる。
また出入り口にはトヘズモ(豚の皮をカリッと揚げたフライ)、カシャッサがさりげなく置いてあり無料。このユニークな取り組みに、店員の丁寧な対応が評判を呼んでいるという。
しかも、提供される料理は1皿で2~3人前分。量を考えれば値段もそれほど高くなく、店主が「お客様が十分満足できるはず」と説明するのもうなずける。
特に日本人に人気な料理の一つは、ミナス版炒飯の『Mexida mineira』(119レアル)。米をカルニ・セカ(干し肉)、コステラ(牛バラ肉)、ケール(Couve manteiga)、卵と炒めた料理だ。これにフェイジョン、トヘズモ、揚げバナナが付く。
ミナス風に調理したという『Rabada mineira』(116・90レアル)も日本人には大人気。コトコトと柔らかくなるまでトマト味で煮込まれた牛の尻尾は、ほぼブラジル版「テール・スープ」。
牛の旨味がしっかりと染み出して、口の中で広がり味わい深い。一緒に入っているジャガイモにも味がしみ込んでおり、一口食べると、もう止まらない。
その他、店のお勧めは『Feijoada mineira』(113・90レアル)、『Picanha à mineira』(135・90レアル)、『Leitão à pururuca』(113・90レアル)など。
デザートは、ブラジル伝統のデザートでドッセ・デ・レイテ味のAmbrosia(6・90レアル)と、Petit gateau(フォンダン・ショコラ、19・50レアル)がよく売れるという。
元々は18歳で仕事を求めてサンパウロに転住したウィルソンさんだが、接客業が性に合い、この仕事を続けて20年以上経つ。
ウィルソンさんは、「『グラッサ・ミネイラ』という店で仕事を覚えて、ミナス料理が人気があるので独立してやっていけると思った」と振り返り、「評判が良くて、今では10店舗経営しているよ。僕にとっては天職だね」と笑った。