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《ブラジル》保健省がジカ熱流行後の4年間を総括=発達障害などは継続して観察

黄熱病やデング熱、チクングニア熱、ジカ熱のウイルスを媒介するネッタイシマカ(Pixabay/Divulgação)

 ブラジル保健省が5日、ジカ熱流行を宣言した2015年11月8日以降の総括を行ったと5日付同省サイトなどが報じた。
 ブラジルでジカ熱流行が最初に確認されたのはペルナンブコ州で、同州での小頭症児増加が保健省に報告されたのは15年10月22日だ。事態を重く見た保健省は同年11月に流行を宣言。翌年2月にはWHO(世界保健機関)が非常事態を宣言した。WHOによる宣言は同年11月、ブラジル保健省による宣言は2017年5月に解除された。
 今回発表の報告書は、今年の10月5日までに報告された症例を、ジカ熱感染が成長や発達に影響を及ぼしたかに重点を置いて分析している。
 15年11月8日~19年10月5日に報告された擬似症例は1万8282件で、2241件は分析対象外とされた。また、2659件は現在も分析中だ。
 残る1万3382件の内、8350件は成長や発達への影響が見られなかった。だが、3474件は影響が確認され、743件は影響を受けたと推測されている。615件は結論が出なかった。
 ジカ熱感染で成長や発達に影響が出た3474件の85・5%は新生児~幼児で、78・3%は出生時に小頭症と判断された。小頭症と中枢神経系の障害がある、または神経障害のみの子供は14・9%いた。また、残りの14・5%は、胎児2・8%、死産2%、流産1・9%と、乳幼児期の死亡例の合計だ。
 小頭症などの障害を持つ子供の6割は統一医療保健システム(SUS)でケアを受けている。小頭症以外の症状にはてんかん、視聴覚障害、骨や関節の異常などがある。
 ジカ熱ウイルスの影響が確認された症例が最も多かったのは2016年の1927件で、最少は今年の55件だ。ジカ熱感染で成長や発達面で影響が出たと判断された子供は、ペルナンブコ、バイアの両州に集中(1037人)している。
 ジカ熱ウイルスは1947年にウガンダの森林で発見された。ブラジルでの最初の患者確認は2015年だが、妊娠中のジカ熱感染と小頭症その他の障害との関係に関する研究はブラジルの医師達に負うところが大きい。
 また、症状が消えても数年間ウイルスが生息している例や、大人にも神経障害などが出る例が報告されており、蚊の蔓延などには注意が必要だ。