【既報関連】7日にマラニョン州内陸部で起きたグアジャジャラ族のリーダー殺害事件後、今年に入ってからの先住民リーダー殺害数はここ11年間で最多である事が明らかにされたと9日付現地サイトが報じた。
カトリック教会の土地司牧委員会(CPT)の発表によると、今年死亡した先住民リーダーは7人で、昨年1年間の2人を大幅に上回る。
年間の死者総数は来年4月にしか発表されないが、土地の所有権や開発などを巡る抗争が原因で殺された先住民は27人で、昨年1年間の28人とほぼ同数だが、殺された先住民をグループ分けしてみると、最も多かったのがリーダー格の先住民達だったという。
CPTの全国コーディネーターのパウロ・セーザル・モレイラ氏によると、先住民リーダー殺害の増加は、先住民居住地や森林の開発を巡る抗争が組織的になっている証拠で、今年はグループ別集計を始めた2009年以降で最多だという。
また、モレイラ氏は、「暴力行為の責任者は先住民には何の権利もなく、抹消されるべきだと考えている」として、現政権の立場や政策が先住民やリーダーの殺害に影響を与えているとの見解を明らかにした。
CPTがまとめた先住民リーダー殺害は、2、6、7、8、11、12月に起きている(12月の死者は2人)。また、州別の人数はアマゾナスとマラニョンが各3人、アマパー州が1人だ。
他方、インジオ宣教師協議会(Cimi)によると、18年に殺害された先住民は135人で、前年の110人を23%近く上回った。
また、1~9月に起きた先住民居住区への不法侵入は、19州で160件に上り、通年で111件だった昨年より44%も増えている。
先住民の居住区の周辺で森林伐採や森林火災が増えている事は、それ以外の統計でも報じられていた。先住民リーダーの死や不法侵入などが昨年を大きく上回っている事は、森林伐採や森林火災の急増と共に、ボルソナロ政権がアマゾン開発を容認し、天然資源の採掘を促すような発言を行っている事と関係しているとの見方は国内外で広まっており、環境政策や先住民政策の見直しを迫る声が高まりそうだ。