8日、サンパウロ市東部の日本人会館で橘和音楽教室主催の第14回友好の一日が開催された。コラム子は第8回から参加させてもらっているが、毎年が驚きの連続だ▼コーラスの一員として参加した初回、昼食後に披露された橘和バンドの演奏を聴き、家族が一致して奏でるシャープで幅のある音に驚いたのを昨日のように思い出す。以来、カラオケでも歌わせてもらったが、その内にバンド伴奏が始まり、現在はコーラスとキーボードの演奏以外は全歌手がバンドで歌っている▼また、宣伝もしないのに、歌手の数は昨年が90人、今年は100人と増えている。歌手の中には、別のイベントと掛け持ちの人や遠路駆けつけて来る人もいる。だが、全員が練習やイベントを待ちわび、楽しんでいる事はこぼれる笑みや取り交わす挨拶からも窺われる。友好の一日は、音楽を通じて友人達と時間と空間、喜びを共有する一時なのだ▼無論、開催までに費やされる時間や労力は莫大だ。橘和保江氏と娘の桑原早苗氏は、各人の歌の題と普段使うカラオケの音程や編曲の内容などを確認後、家族全員に演奏の録音を携帯ソフトで流した上、楽譜を集め、編曲し直してバンドで練習。歌手との練習はその後で、会場整備や機材設置などの時間もバカにならないが、楽器とバックボーカルによる演奏はいつも使うCDに近いかそれ以上。歌手にとっては歌い易く、様々な事情で練習に参加出来なくても本番で慌てる必要がない。外部からの歌手も含めた参加者への愛情や思いやりは、希望された曲は拒まず演奏する姿勢にも表れる。橘和氏を囲むファミリーの成長は、参加者のレベルや数、友と過ごす一時の豊かさなど、全ての面で明らかだ。(み)