ニッケイ新聞は9日、『世界が感謝!「日本のもの」』(「ニッポン再発見」倶楽部著、三笠書房、2015年)のポルトガル語翻訳版『O MUNDO AGRADECE! COISAS DO JAPÃO』の販売を開始した。
同書では世界の人々を魅了するお馴染みの「日本のもの」から、日本人も知らないような驚きの「日本のもの」まで全97種をポルトガル語で紹介する。ポルトガル語世代の子や孫へのクリスマスや年末年始のプレゼントに、日本のハイテク製品に関心のあるブラジル人ビジネスパートナーや友人へのお土産にぴったりの一冊だ。
紹介されるのは、世界の暮らしを便利にした「日本のもの」としてファスナーや高機能トイレ。世界に安全、安心をもたらした交番、内視鏡など多数。
全238ページ。販売価格40レアル。本紙編集部、太陽堂(11・3208・6588)、竹内書店(11・3104・3399)、高野書店(11・3209・3313)などから購入できる。
より親密な日伯連携を生み出す本=ブラジル日本商工会議所 事務局長 平田藤義
半世紀ほど前には腕時計やカメラ、トランジスタ・ラジオなどの日本製品が世界を席巻していた。同書にはそうした時代の製品は見当たらない。日本の技術が進化し続けていることをあらためて実感させられる。
日本人は古来、世のため、人のために物を作って、幸せにしたいという熱望を持ち続けてきた。同書を読み、現代までその精神が連綿と受け継がれていることを感じ、日本人である事に誇りを感じる。
これらの技術をただ単に知識として蓄え、話のタネにするだけでは勿体ない。日本で当たり前に普及している技術やその応用製品、システムが、どれだけ途上国に移転され、それらの国々の国民に恩恵や幸せを与えているだろうか。
技術移転には供与国側と導入国側の親密な連携が不可欠だ。日本の先進技術を非常にわかりやすく、網羅的にまとめた同書が出版されることで、導入国側であるブラジルの日本に対する意識が向上し、より親密な連携関係を生み出すことを私は確信している。
2013年5月、茂木敏充経済産業大臣が約70名の経済ミッションを帯同し来伯した。サンパウロ市でJETROの中小企業海外展開支援プラットフォームの世界第1号を立ち上げるためだ。
日本では少子高齢化が加速し、途上国による技術のキャッチアップも急速に進行しているなかで企業はその規模を問わず海外進出を迫られている。
同プラットフォームの立ち上げでは、日本の中小企業の進出を容易にし、ビジネス機会を拡大。両国経済にとってWIN―WINの関係構築を目指している。日本はJETROやJICA等の機関を通じて中小企業の進出促進に力を入れている。我が会議所も日本からの進出促進を至上命令として日々活動を行っている。先の技術移転とあわせても同書の果たす役割は大きい。
著者の「ニッポン再発見」倶楽部並びにポルトガル語への翻訳を決断し、日本の技術をブラジル人に情宣したいと熱い思いで取り組んだニッケイ新聞社に敬意を表したい。