11日に上院で承認された犯罪防止法(パコッテ・アンチクリーメ)に関し、ボルソナロ大統領は15日、「インターネットによる名誉毀損(侮辱、中傷)の罪を重くする」の部分に拒否権を発動する意向を示したと16日付現地紙が報じた。
「インターネットによる名誉毀損罪の量刑を3倍増にする条文は拒否する。ネット空間は自由であるべき。私は言論の自由、報道の自由を守る立場。だいたい、私ほどネット上でひどい攻撃に晒されている人間はいない」と語った。
セルジオ・モロ法相により立案、提出された犯罪防止法は、大統領府による検討、そして必要とあらばの拒否権行使、さらに裁可から公布宣言を待つのみとなっていた。
犯罪防止法では、「名誉毀損罪」に関する項目に、「インターネット、ソーシャルネットワークを使って行われた名誉毀損の罪は3倍加重となる」と書かれている。
また、14日付同紙によると、モロ法相は、ジュイス・デ・ガランチアと呼ばれる、「捜査開始を認める判事と、起訴を受け付け、判決を下す判事は別でなくてはならない」との項目の拒否を望んでいるという。
同法相は、有罪判決確定による拘留ではなく、捜査の過程で逃亡や証拠隠滅の恐れがあるとされた場合の期限を設定しない予備拘留(プリゾン・プレヴェンチーヴァ)に関する規定の拒否も望んでいる。