ブラジル日系文学会(櫻井セリア会長)が発行する『ブラジル日系文学』第63号(発行者=近藤アンドレ、編集者=中田みちよ)が11月に刊行された。同文学会が組織一新して、第2号目となった。
今号では、金沢大学の杉山欣也教授による、ブラジルにおける日本語文学の論文「《日本語文学の汽水域》日系ブラジル文学の現在」が寄稿されている。ブラジルの日系社会を汽水域と捉え、日本語からポルトガル語の文学として展開されていく「日系ブラジル文学」について、自身が2016年にブラジルに滞在した経験をもとに論じている。
随筆では、中田さん、山本紅さん、南薫さんの三姉妹による、日本と中国を旅行した際の体験談が描かれており、中国人のガイドから聞いた、共産党国家の恐ろしい話も。
また、来社した桜井セリア会長、清水すみえ第二会計、中田さんによれば、「ポルトガル語ページの近藤アンドレ氏など、ポルトガル語の作家の中にも期待すべき人材が出てきている」という。
その他、小説や随筆、ブラジル文学翻訳などを掲載。日語版は124項で、ポルトガル語版は62項。
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