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文協定期評議員会=抜本改革に乗り出す新体制=まず10万レアルの黒字会計=(上)=65周年記念でカード発行

評議員会の様子

 ブラジル日本文化福祉協会(石川レナト会長)は『第157回定期評議員会』を14日、サンパウロ市の文協ビルで開催した。59人(代理出席19人含む)の評議員が参加し、来年度の文協創立65周年記念活動を含めた事業計画などが発表された。石川会長の新体制となり、経営経験が豊富な人材が新たに理事会に参加し、赤字収支が続いていた文協の会計が10万レアルの黒字となった。

 冒頭の挨拶で、石川会長は「新会長となり、専門性を高めるために、外資企業の元社長である奥原常嗣副会長と、元ブラジルNEC代表の山室エルベルト企画予算担当理事に理事会へ加わってもらった。この若く経験のある2人は、我々にとって大きな助けとなる」と強調した。

奥原常嗣副会長

 奥原副会長は、自身のビジネス経験の豊富さを活かし、2020年の展望を発表した。現在の米中貿易戦争などの世界情勢や、そこから予想するブラジルの政治経済状況を説明。そこから、日系社会がどのような社会貢献活動を行えば良いかの展望を語った。
 さらに、長年文協が行っていた、各委員会がスポンサーから寄付金を募る資金調達ではなく、「文協と企業は『パートナー』として、どちらにも利益になるような方法を企画すべき」と強調。
 奥原副会長は、今後の運営に関してアイデアを得るため、1907年に設立された米国ニューヨークに本部を置く非営利団体「ジャパン・ソサエティー」を今年9月に視察した。同団体は日米文化交流の先駆的な役割を果たし、現在も年間100以上のイベントを行っている。
 そこから得たアイデアの一つが、65年事業の一つ「文協プレミアム」会員特典システムだ。会員カードを発行して法人・個人の会員が支払う金額によって、文協施設の利用金額割引などの特典を受けられる。また、このカードで、奥原副会長が交渉した店やレストランなどの割引が利用でき、会員増を見込むことができる。
 奥原副会長は65周年事業の責任者も務めており、事業の計画も発表。記念のロゴマークを作り、出席者へピンバッジが配られた。また、来年1月からは文協のHPを大きくリニューアルする計画も進行している。
 目玉の企画の1つとして「日本移民史料館の第1回国際シンポジウム」がサンパウロ市のブラジル移民史料館で開催される。これは今年10月行われた海外日系人大会で決定された。世界中の日本移民史料館・博物館関係者が集まる予定だ。
 他の目玉事業としては、来年にイビラプエラ公園の日本館で行う光の技術を見せるショーや、文協で最も集客力の高い文化祭り、桜祭りなども盛大に行う方針だという。(つづく)