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60周年記念諸行事が着々と進行=援協12月度役員会で報告

定例役員会の様子

 サンパウロ日伯援護協会(与儀上原昭雄会長)は「定例役員会」を19日午前、サンパウロ市の援協本部ビルで行った。同協会創立60周年を記念した「日伯友好病院(HNB)の新病棟建設」と「自閉症児療育施設(PIPA)本部ビルの建設の定礎式」、また国際協力機構(JICA)の支援により行われた日本での福祉施設研修の報告があり、援協創立60周年記念誌の進捗状況も発表された。
 与儀会長、井上健治PIPA運営委員長はそれぞれ、12月上旬にHNBとPIPAの定礎式が無事挙行されたと報告。両施設とも今後、建設会社から見積もりをとり、雨季が終わる4月頃に工事を開始する予定。
 養護老人ホーム・イペランジアホームの三島セルジオ施設長は、JICAの研修プログラムで、11月の1カ月間、神奈川県横浜市の特別養護老人ホームで行った研修の成果を報告した。
 「入居者の睡眠中でも、体位交換のスケジュールが細かく定められ、車椅子に乗ったまま入浴できる特別な浴槽や、軽くて扱いやすい歩行器など、行き届いたケアや先進的な設備が整っていた」と説明。
 加えて「職員は機械的にケアを行うのではなく、入居者に対する敬意を持ち、積極的にコミュニケーションをとる様子が印象的だった。この姿勢を援協でもぜひ取り入れたい」と述べた。
 園田明憲副会長は記念誌について、「HNBとPIPAの定礎式を終え、記念誌に掲載する行事は全て終わった。より良いものを作るため、意見は随時募集している」と呼びかけた。
 各施設報告では、園田氏が福祉委員長として、「福祉部には11月だけで約2200人が相談に来た。経済的利益が見込める部署ではないが、援協の理念『日系社会の困っている人を助ける』を実行するための部署だから、来年も引き続きご理解を」と述べた。
 役員会後の昼食会で与儀会長は、「日系社会の皆さんの協力で、2019年援協は計画通りに事業を進められた。来年もHNBとPIPAの建設など重要な事業計画が多くある。引き続き皆さんに協力してほしい」と謝意を示し、「2020年も皆さん健康で、幸せな年にしましょう」と本紙取材に答えている。
 日伯友好病院を除く11月度決算は119万1474レアルの赤字を計上したが、同病院を含む全体では677万9873レの黒字となった。


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 本紙でもたびたび報じられているように、日系団体などが年末寄付を援協に行っている。記事になったこと以外にも、援協には様々な金品の寄付が毎月贈られている。12月度定例役員会の報告では、11月だけで8万レアル以上の寄付金、93件の物品寄贈があった。会員減少が問題になっている援協だが、温かい支援を続ける協力者がまだまだいることを忘れてはならない。