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【2020年新年号】新年に考えること=ブラジル日本都道府県人会連合会会長 山田 康夫

山田会長

 謹んで新年のお慶び申し上げます。
 旧年中はいろいろとご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
 海外最大の日系人集団地であるブラジルは、新年、笠戸丸移住から112周年を迎えましたが、今では二世から三世へと移り、やがて四世の世代へと移り替わるでしょう。県人会においても一世の会員は少なく、二世、三世へと構成が変わっています。
 と言っても母県とのつながりの中で交流を続けてゆくためには日本語が必要です。魅力ある県人会活動を続けるためには、日本語だけの会話では継続が困難になっております。47ある都道府県人会の中には、人材の面もありますが、うまくこれを切り抜けることができないところもあります。
 しかしながら、これも横のつながりを広げれば切り抜けることができます。そこで県連が役立ちたいと思います。いままでどちらかと言えば、この面では連合会としての役割を果たしていない感じがします。ここで県連が都道府県人会と協力して役立つようにすることが使命と考えます。
 母県との連絡交流が過疎になると、予算やその他のいろいろな面で支障をきたし、交流事業もうまく行かなくなってきます。また、移住者の多い少ないで交流が途絶えたりするのでも無いと思います。大切なのは、常日頃から密接に連絡しあい交流を続けることです。
 出稼ぎも一つの交流ですが、それ以外にも何か一つ地元の人達と交流の輪をもって欲しいものです。そこから交流の輪が広がれば、もっと実のあるものが出来るのではないかと思います。
 ブラジル日系人の中にも留学・研修制度を利用して5千人以上の人が日本に行ったのですから、このOBにもう一度呼びかけて県人会組織にてこ入れを計ることも必要で、いずれの場合も橋渡しする人が必要となります。
 なにをやるにしても、根回しをしっかりし、そこから始めないと失敗します。県連ではこのお手伝いをさせていただきたいと思います。
 これからの世界、ブラジル社会を考える時、もっと大きな視野に立ち物事を考え進めていくことが大切です。いろいろな面での交流が疎遠になっていく中、新しい日系社会を形成することが大切で、近年減少傾向にあります留学生、研修員制度の継続、明日を作る青少年の短期訪日交流なども県人会などと共に訴えていきたいと思います。
 また、県連では、郷土芸能、郷土食の祭典である第23回フェスティバル・ド・ジャポンを通じて、伝統ある郷土芸能を守って来られた方々、郷土に永く伝わり郷愁を呼ぶ郷土食をブラジルの地に残すこと、また「移民のふるさと巡り」なども、これからも深めて行きたいと思います。
 新年も昨年同様よろしくお願い申し上げます。