ジャイール・ボルソナロ大統領は12月31日、「新年1月1日からの法定最低賃金を月額998レアルから1039レアルに増額する」とする暫定令に署名した。998レアルから1039レアルへの増額率は4・1%で、ブラジル地理統計院(IBGE)が出した、2018年の全国消費者物価指数(INPC)に等しい。1994年にレアルプランが採択されて以来、法定最低賃金が月額1千レアルを超えたのはこれが初めてだ。
12月17日に議会で承認された2020年度の予算では、法定最低賃金は、998レアルから3・31%アップの月額1031レに設定されていた。これは、12月中旬の時点で、2019年のINPCが3・31%になると想定されていたからだが、年末に出された2019年のトータルでの正式なINPCの値は4・1%だったため、最低賃金も12月17日時点の想定額より8レアル高くなった。ブラジル経済省は、11月から年末にかねての食肉価格の高騰がINPCの数値を押し上げたという。
2011年から2019年までの法定最低賃金は、前年のインフレ率と前々年の国内総生産(GDP)を使って決められていたが、ブラジルのGDPは2015年~16年の2年間の累積で7%下がっており、2018年の法定最低賃金(937レアルから954レアルへ1・8%の引き上げ)のように、インフレ進行以上の実質的な法定最低賃金の調整が行われたとは言い難い時もあった。
法定最低賃金は、社会保障費や失業保険の支払いなど、政府の歳出額を決定する係数でもある。政府の試算では、法定最低賃金が1レアル上昇するたびに、政府の歳出額は3億5550万レアル増大する。(12月31日付アジェンシア・ブラジルより)
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