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年末に門松作りと餅作り=立派な孟宗竹使い手作りで

皆で協力して竹の切り出し

 年々、正月に門松立てて祝う習慣は少なくなって来ている。そんな中、モジ中央日本人会では、新年拝賀式に無くてはならない門松と鏡餅を、役員らが協力して毎年製作している。門松作りの作業の様子を紹介する。
 中央日本人会はまず、12月29日午前9時半にモジ文協に集まり、車で8キロ離れた小高い丘に有る山口正邦氏(やまぐち・まさくに、88)所有の農園の中に、孟宋竹を取りに行った。
 立派な孟宗竹が密集する場所が幾つも有って、中には高さが25メートルを優に越し、直径が14センチもあった。これを有志8人がかりで、松本茂氏が中心になって手際良く切り出して行った。3年物を選んで4本を選び出すと、皆は汗でびっしょりに成っていた。大工歴35年の沢田エドアルドさん(54、二世、モジ在住)も加わり、長さ2メートル半の所で電気のこぎりを当て12本に切り分けた。
 貨物車まで運び、飲み物を山口正邦氏からご馳走になり、モジ文協まで運んで、ようやく1日目の作業が終わった。午後1時過ぎだった。

切り出しに加わった皆さん

 2日目の12月30日(月)午前8時半、前日と同じメンバー8人の門松作り班と、中央会婦人部が主体となった餅作り班10人の作業が始まった。まず門松作り班は竹洗いから始めた。2メートル半に切った竹12本を水洗い機で竹に付いた汚れなど洗い落とした。作業しているメンバーからは「昔はタワシで時間掛けて洗ったもんだ」との声も聞かれた。
 この門松作りは07年から始められた。本格的になったのは11年からで、松本茂氏と有志数人で本格的に行うようになった。
 竹の水洗いが終わったら、いよいよ本番。ここで門松作りに携わって7年の沢田エドアルド氏の自慢の腕を披露された。まず12本の中から容姿が綺麗な6本を選び、節目を中心に斜めに切り、切り口にカンナを掛けて仕上げた。この行程が一番難しいが、沢田氏はすいすいと仕上げて行く。
 大1メートル90センチ、中1メートル70センチ、小1メートル半。それぞれ2本ずつ切り揃えて2組作る。向かって右側は左から大小中で、切り口を前にして先端を揃えた。向かって左側はこれの逆で右から大小中となる。大の竹が両方とも内側に成るようにする。それから3本一組の竹を荒縄で縛る。

拝賀式で備えられた大きな鏡餅

 次は竹組みを埋め込む飾り鉢を作る。その飾り鉢に、竹組みを入れて小石で固めて水を撒く。竹組みの安定を確認し飾り付けをする。まず松の若木を40センチに切り飾り鉢に全体に差し込む。同じように梅、南天などで形を整え玄関の左右に置く。これで門松の完成である。
 一方、門松作りと同じ12月30日午前8時半からモジ文化協会会館内の食堂では、正月用の餅つきが行われた。25年間毎年欠かさず続けられている行事だ。池田会長が中心になってモジ中央日本人会婦人部の10人が主体で行われた。
 鈴木多恵婦人部部長(すずき・たえ)は、「昔は薪でもち米を炊いて、木で作った臼に餅を入れ、杵で突いていたので、餅が出来るのに時間が掛かった。だが今では簡単に出来ます」とのこと。
 餅つきは2台のモーター付捏ね機で捏ね、時々人の手で揉んで形を整えるだけ。後は皆で餅を手ごろに手で切って丸めて出来上がりだ。鏡餅6キロと普通餅32キロで、形38キロもある餅が出来き上がった、後は正月元旦の新年拝賀式に壇上中央にお供えするだけとなった。