夏の雨による被害はサンパウロ州だけでなく、全国各地で、何日も続く雨や、集中豪雨的な夕立などによる被害が報告されている。
その一例は北部のアクレ州で、増水したアクレ川の水位は、8日以降、14メートルを超えている。これにより、9日の夕方の時点で、ブラジレイア市で50世帯、リオ・ブランコ市でも5世帯が避難を要した。水位上昇は9日夜も続いており、被害はさらに広がる見込みだ。
同州防災局は、危険だと判断した時はリオ・ブランコ市内の公園などに退避するよう呼びかけると共に、川から上がってくる動物や、電線が切れて感電する恐れがある地域には近づかないよう、注意を促している。
同州政府は、農業生産者達への影響なども調査中だ。
また、北東部のリオ・グランデ・ド・ノルテ州でも、州都のナタール市やその周辺部で、洪水や冠水などの被害が報告されている。ナタール市では、北部ノヴァ・ナタール区の道路が陥没し、ワゴン車の車体の半分が水没した状態になった。同市南部でも、8日に出来た後、大急ぎで塞いだはずの路面の穴が再び現れて、住民達を驚かせた。同市防災局は8日、路面が陥没した地区の住民に退避を命令している。
ナタール大都市圏のパルナミリン市では、濁流に流された車が次々にサンセバスチャン墓地の門にぶつかり、門を破壊。墓地の内部も水浸しになった。
南東部のミナス・ジェライス州では、州都のベロ・オリゾンテ市西部にあるプラード区で、土地が陥没して塀が倒れ、隣接している家屋にも被害が出た。同地区では昨年10月から始まった工事の影響で、家屋にひびが入ったり、床が沈んだりして防災局に相談する人達が出始めていたが、今回の雨で地盤がさらに緩み、倒壊、崩壊事故に繋がったようだ。
また、リオ州山間部ではペトロポリス市などで被害が報告されている。
ペトロポリスでは8日午後にも強い雨が降り、市内を流れる川が氾濫。濁流が押し流した車は、市内各所で、車や建物にぶつかったりした上、あちこちに置き去りにされたり、氾濫した川に引きずり込まれたりした。小康状態になり、水がひいた9日は、エンジンルームに水が入って動かなくなった車や水の勢いで建物などにぶつかった車の他、道路脇のガードレールに引っかかって川に落ちずに済んだ車、川に落ちたがそこからは流されずに済んだ車などが多数見られた。
濁流は路面の敷石やアスファルトもはがし、随所に穴や段差が出来た。
その前からの雨で地盤が緩んでいたために土砂崩れが置き、倒壊した家屋や、落雷によって火災が起きた家屋も出ている。
同市では、普段は川岸で暮しているネズミが、迫ってくる雨水から逃れようとして自転車のリムに登り、難を逃れた様子を映した映像も出回っている。
サンパウロ州では、サンパウロ大都市圏で洪水や冠水、鉄道への影響などが報告された他、倒木や塀の倒壊、土地の陥没などが続発。
サンパウロ市からは離れたタウバテ市でも、8日の雨と水道管破裂で地面が陥没。長さ15メートル、深さ4メートルの大きな穴が出現して電柱などを飲み込んだため、付近の住宅で停電が起きるなどの被害も起きている。(9日付アジェンシア・ブラジル、G1サイトより)