ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》2019年のインフレ率は4・31%=11、12月でインフレ昂進=要因は食肉価格高騰

《ブラジル》2019年のインフレ率は4・31%=11、12月でインフレ昂進=要因は食肉価格高騰

今年は食肉価格の高騰が収まるのか?(参考画像・Andre Frutuoso)

 ブラジル地理統計院(IBGE)が10日、昨年12月の単月度の広範囲消費者物価指数(IPCA・公式インフレ率)は1・15%で、2019年全体のIPCAは4・31%だったと発表した。
 1・15%という上げ幅は、12月のインフレ率としては、2・02%だった2002年以来となる、17年ぶりの高い数値だ。
 インフレ率はここ数年低くコントロールされてきたが、中国で家畜の疫病が広がったことで、同国からの食肉需要が高まったのを受け、ブラジル国内の食肉業者が輸出量を増やしたため、ブラジル国内の需給バランスが崩れた。これによって食肉価格が11月以降で大幅に上昇したことで、2019年の11、12月は高いインフレ率が出てしまった。
 「食肉部門」の年間インフレ率は32・4%で、インフレ率全体を0・86%ポイント(P)押し上げた。G1サイトは「食肉部門のインフレ率がゼロだったら、今年のインフレ率は3・45%に収まっていた」と報じた。
 「交通部門」は年間インフレ率が3・57%で、インフレ率全体を0・66%P押し上げた。「医療・パーソナルケア部門」の年間インフレ率は5・41%で、全体への影響は0・65%Pだった。
 2019年のインフレ率は、1~10月の10カ月間の累積では2・60%だったのに、11月0・51%、12月1・15%と、最後の2カ月だけで大きく引き上げられた。
 2018年の年間インフレ率は3・75%、2017年は2・95%だったと思うと、やや心配な数字だが、2016年は6・29%、2015年は10・67%だったことと比べれば、まだ低目の水準を保っているとはいえる。
 政府が設定した2019年の目標インフレ率は年間4・25%±1・5%(2・75%から5・75%の間)だから、許容範囲に収まったと見ることも出来るが、10月までは目標中央値の4・25%以下に収まることが濃厚だったことを思えば、年明け以降に不安は残る。
 なお、2020年のインフレ目標は、今年よりも0・25%下がって、4%±1・5%(2・50%から5・50%の間)だ。(10日付アジェンシアブラジル、G1サイトより)