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《ブラジル》11月の工業生産は前月比1・2%減=3カ月連続前月比増がストップ

 昨年11月の工業生産は10月比で1・2%減で、3カ月連続の前月比増が止まったと、ブラジル地理統計院(IBGE)が9日に発表した。10日付現地各紙が報じた。
 投資顧問会社スル・アメリカーナ・インヴェスチメントス社のチーフエコノミスト、ニュートン・カマルゴ・ローザ氏は、「現実に目を背けることはできない。これが事実。『景気は順調に回復中』とまでは断言できない」とし、「工業生産はまだ、アップダウンを繰り返しており、力強い景気回復の軌道にのったとは断言しづらい」と続けた。
 11月の減産は、8月から10月にかけて蓄積した2・2%の増産分の半分以上を帳消しにした。また、11月の減産により、19年1月から11月の累積は、前年同期の累積を下回った。
 海通(ハイトン)投資銀行ブラジルのフラヴィオ・セラーノ氏は、「8月の1・2%、9月の0・2%、10月の0・8%と3カ月続いた前月比増が途切れたことは、ブラジル経済の先行きはまだ不透明だということを示している」と語った。
 11月は26に細分された工業部門の内、16部門で生産量が落ちた。中でも、中国への食肉輸出は増えたのに、砂糖の生産が減って3・3%減となった食料部門、生産が4・4%減った自動車部門、鉄鉱石中心に1・7%減産となった鉱業などの影響が大きかった。