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ポルト・アレグレ=日本語モデル校の改修完了=13年来の悲願叶って落成式=草の根一度断念、18年に再開

落成式に出席した一同

 昨年12月7日にリオ・グランデ・ド・スル州都のポルト・アレグレ日本文化協会(菅野妙子会長、ACJ)及び日本語モデル校(大澤秀子校長)の活動本拠地で、日本語モデル校改修工事の落成式が執り行われた。改修工事は、日本政府の「草の根文化無償資金協力」の支援を受けて実施。地元日系社会の長年の悲願が叶い、関係者から喜びの声が届いた。

 「建物が完成して本当に嬉しい。全会員がそういう気持ちだよ」。南日伯援護協会の谷口浩会長は、本紙の電話取材にそう答えた。改修工事が叫ばれてから13年が経ち、地元日系社会の悲願がようやく達成された。
 改修工事は、昨年3月14日に「草の根無償資金協力」の贈与契約署名式を行い、約29万レアルの支援を受けた。不足分は寄付やイベントの収益で補い、6月に着工。12月に竣工した。
 完成した同校は2階を新設し、3つの教室を設置。さらに教室の仕切りを外すと、約80人が収容可能な多目的講堂となる。講堂では同校以外のイベントで使用することも視野に入れている。

近藤猛在ポルト・アレグレ領事事務所長、木村元クリチバ総領事、菅野妙子会長、谷口浩援協会長

 落成式には、木村元在クリチバ総領事と在ポルト・アレグレ領事事務所の近藤猛所長も出席した。木村総領事は、ポルト・アレグレ総領事館(現領事事務所)勤務時代の2006年に同校を訪れ、草の根資金協力の利用を薦めていた。
 式典では、挨拶に立ったACJの菅野会長と木村総領事が喜びの声を上げた。
 同校は、04年に南日伯援護協会から独立したACJを運営母体としており、以前から草の根資金協力を利用して改修工事を望まれていた。様々な障害があり、一度は断念したが、18年に申請を再開し採択された。
 谷口援協会長は「長年この問題のために奮闘してきた人たちが今も文協に残って活動を続けている。皆の思いを叶えることができて良かった」と嬉しさを声に滲ませた。
 大澤校長は「今後は建物が日本語の学び舎、日本文化の継承と普及のみに留まらず、広く多角的な活動の拠点として使用されれば」と期待を述べた。
 工事期間中、同校の生徒は同市のサクラダファミリア教会のサロンを借りて平常通り授業を行っていた。同校の生徒は約百人で、非日系人が半数以上を占めている。

記念の集合写真