10月の全国市長選の影響で、議会が希望している税制改革や連邦政府が希望している行政改革の承認は選挙後になることが予想されるなど、重要法案がかなり後回しにされる可能性が生じていると、11日付エスタード紙が報じている。
ボルソナロ政権は2020年の目標の一つに、新規採用される公務員のキャリア変更を含む行政改革を掲げており、2月中に連邦議会に提案するつもりだ。政府としてはこの法案を最初に通したい意向だが、同法案は早くも、早期に通過する見込みはほとんどないと見られている。
その理由の一つは、議会が「税制改革」を最優先項目にあげているためだ。ロドリゴ・マイア下院議長とダヴィ・アルコルンブレ上院議長は、税制改革を上半期の内に承認したいと考えており、政府が提出する行政改革案の審議は後回しにされる可能性が大きい。
だが、上院政府リーダーのフェルナンド・ベゼーラ・コエーリョ上議(民主運動・MDB)の見方はもっと厳しい。
「行政改革も税制改革も承認はされるであろう。だが、どちらの法案も内容が込み入っている上、上半期は既に、上下水道整備に関する衛生法案や、ゲデス経済相が昨年提出した三つの経済改革法案の審議がある(経済改革法案は報告官も決まっている)ので、そちらにかかりきりになっていれば、行政改革案や税制改革案の承認は11月の末になるだろう」とベゼーラ氏は見ている。上院憲政委員会のシモネ・タベット委員長も、「内容の複雑さと選挙とで、行政改革などの審議は遅れる」と見ている。
議員たちや政党が10月に行われる市長選前に優先したいのは、国民の日常生活に直結し、民間企業からも圧力がかかっている衛生法案のような法案だ。その方が選挙戦でもアピールしやすい。
逆にいえば、内容が複雑で審議に時間がかかる上、国民が求めるサービス向上などに直結しない法案は国民からの反感を買いかねず、選挙前に通過させると、自分たちや所属政党のイメージダウンを招きかねない。
さらに、下院政府リーダーのエドゥアルド・ゴメス下議(MDB)は、「行政改革案の審議は、税制改革やゲデス経済相の経済改革を承認してからとなる」と語り、行政改革の承認は税制改革より遅れるとの見方を示している。
行政改革の前に通したいとされる税制改革に関しても、政党間の合意はなく、エスペリジオン・アミン下議(進歩党・PP)のように、「法案を見ないと皆が承認に動くかどうかはわからない」と語る議員もいる。
また、「第2審で有罪なら即、刑を執行する」とする憲法改正法案も、議会内で意見が割れている。セルジオ・モロ法相やラヴァ・ジャット作戦支持派議員らは、4月までに特別委員会にかけ、全体投票に持ちこみたいと考えているが、全体の合意はできていない。