2012年2月25日に、発電棟で爆発を伴う火災が発生し、海軍兵2人が死亡、70%を焼失したブラジル南極基地が再建され、14日に落成式開催と12、13日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
南極のキングジョージ島にあるコマンダンテ・フェラス基地は、1983~84年に造成され、海洋生態系を明らかにするための生物調査や南極での気候変動などに関する調査を行っている。
だが、2012年の火災で南極での調査活動で得た資料の多くを焼失。にも関わらず、焼失した基地の脇に建設された暫定基地や南極各地に設置されたキャンプ、観測船アウミランテ・マクシミア号を使って、調査・研究は続けられた。
基地再建に向けた動きは12年から始まったものの、本格的な工事は、2度目の入札(2015年)で落札した中国电子进出口有限公司(公社、Ceiec)の手に委ねられた。現地での作業は10~3月にしか行えないため、同公社では、本国である程度組み立てた資材を冬が終った時点で南極に運び、建て上げるという方法を選んだ。
9960万ドル(約4億レアル)を投じた基地は4500平米超で、雪に閉ざされないよう、地上3メートルの高さに造られている。
全体は三つの部分に分かれ、17の研究室中14が集中する東棟には、台所や食堂、医療施設、作業場などもある。
研究者や海軍兵士用の宿泊施設(収容人数64人)は西棟にあり、図書館やビデオルーム、集会室、スポーツジムなどがある。同棟下部には食料や水の貯蔵庫がある。
西棟から南に延びた先は、車や機械類を保管する場所と発電施設、暖房設備、ゴミや下水の処理施設などを集めた技術棟だ。技術棟は耐火材で建てられており、煙感知器や防災扉は全館に設置された。
また、夏の日照時間は20時間超、冬は風速200キロという気候を有効利用するため、風力や太陽光を利用した発電設備も導入された。
落成式に出席するアミウトン・モウロン副大統領やマルコス・ポンテス科学技術相らは13日に現地入りしており、15日に帰国する。