福音派(プロテスタント)の信者が急増しており、12年後にはカトリック信者を上回るのではないかとの予測が立ちはじめている。また、福音派の信者は女性や北部の間で主に広がっていることもダッタフォーリャの調査で明らかになったと、14日付フォーリャ紙などが報じている。
ダッタフォーリャが昨年12月に行った調査によると、カトリック信者は51%に減ったが、福音派の信者は31%に増えたという。
1994年の調査のときには、カトリック信者が75%で、福音派の信者は14%しかいなかったから、福音派の信者の比率は25年で倍以上になったことになる。
福音派の存在は、ボルソナロ氏が大統領に当選した際の原動力になったとも言われている。
ダッタフォーリャによると、今のペースでカトリック信者が減り続け、福音派の信者が増え続けると、2032年には福音派の信者とカトリック信者の割合が逆転するという。
ダッタフォーリャは今回の調査で、どういう人が福音派の信者に多いかの集計も出しているが、それによると、福音派の信者の58%は女性で、男性の42%を大きく上回っている。カトリックの場合は女性が51%、男性が49%とほぼ拮抗しているから、福音派ではかなり、女性の比率が高いことがわかる。
人種別だと、「パルド(褐色系)」が43%で、白人30%、黒人16%と続いている。これに関してはカトリックも同様の傾向がある。
また、地域別に見ると、福音派が特に増えているのは北部だ。ここでは、カトリック信者が50%だったのに対し、福音派の信者が占める割合は39%に達している。
所得別に見ると、カトリックも福音派も共に、「最低給与の2倍以下」の貧困層が40%台の後半で、最も多い。
世代別に見ると、福音派は世代に関係なく、まんべんなく信者がいるが、カトリックの場合、45歳以上の信者が全体の半分以上となる51%を占める(福音派だと39%)ことを考えると、福音派は若年層の間で増えているといえる。
「女性、有色人種、貧困層」と言えば、そもそもは労働者党(PT)の支持基盤となる人たちだったが、そういう人たちの間で福音派が強いことになる。
なお、依然としてPT支持の強い北東部は、カトリックが59%、福音派が27%と、福音派が最も少ない地域でもある。